より長く快適な住まいを維持するためには、定期的なメンテナンスが必須です。特に家の構造に関わる部分は、傷みや不具合がひどくなればなるほど、家へのダメージも大きく、修理にかかるコストが増えてしまいます。とはいえ「どんなタイミングで何を見ればよいのかわからない」という方も多いでしょう。そこで今回は、構造の部位別の点検頻度とポイントを見ていきます。

構造の部位別に見る、主な点検ポイント

部位ごとの点検時期の目安と点検内容
部位ごとに見る点検時期の目安と点検内容

【床下】水漏れがないか?カビ臭くないか?

床下点検口はキッチンなど、水まわりの近くに設置されることが多い

設備配管に不備があった場合の漏水は、暮らし始めて間もない期間に起きるケースがほとんどです。漏水の要因としては、バスユニットなどの浴槽排水の際に配管容量を超えて起きる逆流漏水、配管の継ぎ目不備、洗面所や食洗機のホース外れなどがあります。

目安として、半年間何も起きなければ設備不備による漏水の心配は少なくなります。ただし床下漏水にはさまざまな要因があるため、定期的に点検する習慣を付けておくと安心です。

【基礎】ヒビの原因は、大きく分けて3つある

基礎にヒビが入っているからといって、それがすべて施工不良というわけではありません。ヒビの原因は大きく分けて3つ。それぞれを見極めて対処することが大事です。

ヒビの程度を見極めて対処することが大事。心配なときは、専門家に相談を

①コンクリートの特性による毛細クラック(ヘアークラック)
コンクリートは固まる際に乾燥収縮する性質があるため、ごくごく細い「毛細クラック(ヘアークラック)」ができることがあります。これは、正しい施工を行っていても発生することのあるヒビなので、気にする必要はありません。。

②化粧モルタルのヒビ
経年劣化によって、基礎の表面に施す化粧モルタルにヒビが入ることがあります。表面のモルタルがヒビ割れただけなので、基礎構造上は問題ありません。ただし、化粧モルタルのヒビからシロアリが入り込んで被害を受けることもありますので、程度が大きい場合は施工会社に相談しましょう。

③構造的なヒビ「構造クラック」
構造クラックは、地盤強度とコンクリート強度、それに補強鉄筋のバランスを欠いた際などに発生し、程度が大きい場合は家が傾くなどのトラブルになる場合があります。構造的なヒビの原因は、施工者や設計者の瑕疵によるものが多く、関係者がその責任を負う瑕疵担保履行法という法律が存在します。とはいえ、構造クラックが入るのは稀。どのヒビが構造的に問題があるのかは素人には判断が難しいので、疑心暗鬼にならずにまずは施工会社にその状態を確認してもらいましょう。

【天井】雨漏りがないか?極端に結露していないか?

天井裏まで定期的に確認すると、より安心で快適な暮らしが長く続けられる
天井裏まで定期的に確認すると、より安心で快適な暮らしが長く続けられる

天井裏で発生する不具合の代表は、雨漏り。天井から水滴が落ちてくるとなると、雨漏りがすでにかなりの広範囲にわたっている可能性があります。雨が多い時期に天井裏を見て、水で濡れているところがないかチェックしましょう。また冬は、暖房で暖められた屋内の熱と冷たい外気の境目になる天井裏で、結露が発生する恐れがあります。結露は、天井の通気や天井断熱がうまく機能していない証。気づいたらすぐに施工業者に相談しましょう。


身体の病気と同じで、家の傷みや不具合も早期発見が大切です。自分たちで定期的に家の健康状態を確認する習慣を身につけて、大事なわが家を住み継いでいきたいですね。

(文/Replan編集部)