家づくりとなると「LDKまわりをどうするか?」とか、メインの空間のあれこれについつい気持ちが集中してしまいますが、家族が毎日出入りに使い、訪ねてきたお友だちや来客の目にも触れやすい玄関も、暮らしの快適さや利便性に関わる大事なポイントです。

ひと昔前までは、玄関があって、その側面の壁に下駄箱があって、その上にちょっとお花か何か飾って…というのがスタンダードでした。もちろん今も家の広さや間取りによってはそのような家もたくさんありますが、しばらく前から浸透しだして、今や家づくりの新定番!といっても過言ではないのが「2way玄関」です。

これは通常の出入り口のほかに、併設したウォークイン式のシューズクロークにも出入り口がある2ヵ所からアクセスできる玄関のことで、「家族用とお客様用」「普段用と特別な身支度が必要なとき用」など、各ご家庭の暮らし方によってさまざまです。そこで今回は、これまでに私たちが取材したお住まいで見た2way玄関をいくつかご紹介しましょう。

ベーシックな2way玄関

こちらは、2way玄関としてはかなりベーシックなかたちに近い2way玄関。ご家族用のシューズクロークを造作し、玄関と間仕切り壁でゆるやかに隔てています。壁面にフックを付ければ、お子さんのバッグや上着、雨や雪で濡れたコートなんかも掛けておけて便利ですね!

間仕切り壁で入り口を分けたベーシックな2way玄関。すっきりシンプルで使いやすい

次もベーシックなかたちの2way玄関。先の玄関との主な違いは、玄関側とシューズクローク側で床材の素材を変えていることや、シューズクローク内にハンガーが掛けられるポールを設置していることでしょうか。シンプルなデザインの造り付けベンチも、買い物から帰ってきたときや靴紐を結ばなくてはいけないときなど、何かと重宝しそうですね。

玄関ホールとシューズクロークの間に引き戸があるので、来客時などは閉じてすっきりと見せられるのもポイントです。

こちらも比較的ベーシックな2way玄関。日常生活のなかでの使いやすさへの工夫が随所に

同じ2way玄関でも
配置が変わるとつくりも変わる

玄関ドアの位置は、必ずしも玄関ホールの正面とは限りません。このお住まいの玄関ドアは先の2例と異なる位置にありますが、このレイアウトだと玄関ホールの正面に飾り棚を兼ねたシューズボックスを設けることもできます。

あと、玄関は明るさも大事。先の2例ではシューズクローク内や、壁の上のほうに窓を設けて外の光をとり込んでいましたが、このレイアウトでは正面に窓を設けて採光できます。星のようなシェードの影の映り込みもいいかんじ。

ドアを開けると正面にシューズクローク。ペンダントライトが空間のアクセントに
このレイアウトだと、玄関ホール正面に明かりとり窓やシューズボックスを付けられる

スペースが限られている場合は
壁ではなく、柱でゾーニング

玄関とシューズクロークの間の壁にもバリエーションがあります。例えばこちらのお宅では、柱の間に板ガラスを入れて間仕切りに。シューズクロークに割けるスペースがコンパクトな場合は、間仕切り壁を立てると圧迫感が出て暗くなってしまうので、こういう方法も有効。

お気に入りの雑貨やグリーンを飾りたいな、と思う方には、壁のニッチもいい参考になりそうですね。

木の温もりに満ちた玄関。柱と板ガラスで間仕切りすれば、圧迫感も少なく明るさも保てる

廊下の一部が出入り口に。
ゆったりとしたつくりが正解?

玄関の形状によっては、廊下の一部がシューズクロークへの出入り口になるようなレイアウトの事例も。 先に挙げた例のなかには、玄関ホールとシューズクロークの間を引き戸で仕切れるつくりの家がありましたが、こちらの家では、玄関土間側のシューズクロークへの出入り口に引き戸を設置。玄関先からの来客の視線を遮ることができます。

玄関土間は、趣味の自転車を置けるほどゆったりとした広さ。取材をしていて感じるのですが、玄関まわりに置いておきたいもの、置いておくと便利なものって意外とたくさんあるので、収納も含めゆとりを持って玄関まわりをつくっておくと、のちのち正解だった!ということが多いようです。

玄関土間側のシューズクロークへの出入り口に引き戸を設置。玄関先からの来客の視線を遮る

趣味の自転車を置くスペースもあるほど、ゆったり広い玄関が便利

デッドスペースを
シューズクロークに有効利用!

プランニングによっては、デッドスペースになってしまう階段下。それを上手にシューズクロークとして生かしたのが、こちらのお宅です。階段と床や壁とのビミョーな隙間も、造作棚で有効利用しています。玄関側の上がり框は、玄関ドアに対して平行ではなく斜め。一見不思議な感じもしますが、これによって出入りできる幅が広くなり、利便性がよくなっています。こんな柔軟な設計は、注文住宅ならでは、ですね。

階段下のデッドスペースをシューズクロークとして有効利用

シューズクロークの横に
まさかの書斎コーナー

注文住宅ならではの設計、といえばこちらも個性的。シューズクロークの奥にあるのは、なんとご主人の書斎!広さは1.5帖ほどとかなりコンパクトですが、「これが意外と落ち着くんですよねえ」とのこと。シューズクロークの天井下にはパイプを渡してスキーなど長さがある道具を整然と収納できています。これももちろん2way玄関で、造作の棚の後ろが出入り口になっています。

ガラスブロックを入れた窓と吹き抜け上の窓からの採光で優しい光に包まれる
玄関土間はそのままシューズクロークと書斎スペースにつながる。造作棚で大容量のものを整然と収納

このように2way玄関にはさまざまなバリエーションがあり、家の間取りやご家族の人数やライフスタイルによって広さもつくりもデザインも変わります。はじめにも述べたように、玄関は家のなかでも日常的に人の出入りが多い場所。できるだけ機能的で整理整頓しやすい場所にするためにも、2way玄関を検討してみてはいかがでしょうか?

(文/Replan編集部)