注文住宅は、自由な仕様が魅力。自分が好きなものでお気に入りの家をつくるのは大きな楽しみですよね。新築やリノベに限らず、住まいのインテリアに関してよく聞くのは「統一感を持たせたい!」という声。自分たちがいいと思った素材や色を取り入れつつ、空間にまとまりを持たせるにはちょっとしたコツがあります。そこで今回は、インテリアに上手に統一感を持たせた例を見ながら、そのコツを探っていきましょう。

使う面積、色、樹種によって印象が激変!
木を使うインテリア

インテリアに木をつかうのは、家づくりの定番。「家に居ながら、木の温もりを感じたい」と積極的に用いる家が多い素材です。ですがご存知のように、内装に使う木材は種類が豊富で、色味も木目の模様もさまざま。さらに無垢材だと時とともに経年変化して、色合いが変わっていきます。

統一感を持たせるには、イメージする空間に合う樹種を選び、使う面積や場所をよく検討すること。また、内装仕上げや家具などで、異なる種類の木を使いすぎないことが重要です。

山小屋やログハウスのような雰囲気を楽しみたいなら、徹底的に木にこだわった内装に
床はナラ、壁と天井は節ありのスギで仕上げている
ナラのフローリングに、ナラの面材を使ったオーダーキッチンで空間をコーディネート。面材はカラーオイルで着色して仕上げた。ペンダントライトはホワイトアッシュとチェリーで、あえて異なる材のものに
床はカバ、壁の木部はスウェーデンパイン羽目板張りで仕上げた。明るい色の木を組み合わせると、北欧テイスト感が強まる
床はカバ、壁の木部はスウェーデンパイン羽目板張りで仕上げた。明るい色の木を組み合わせると、北欧テイスト感が強まる
ナチュラル感を出しつつ、モノトーンでまとめたマンションのLDK。白染色のマンション用防音フローリングを採用し、トーンを合わせている
ナチュラル感を出しつつ、モノトーンでまとめたマンションのLDK。白染色のマンション用防音フローリングを採用し、トーンを合わせている

素材の選び方と組み合わせ方が
空間のテイストを左右する

インテリアの「テイスト」を決めるのは、それを形づくる素材やデザインです。例えばインダストリアルデザインは、鉄と木にビンテージ感のある琺瑯や真鍮、皮革、ファブリックなどを組み合わせることで「らしさ」が強調されますし、和っぽいデザインは自然素材をベースに、ベンガラや畳のような中間色や日本的な模様によって表現されます。「らしさ」の構成要素を抑え、ブレずにそれを組み合わせることで、テイストに統一感を持たせることができます。

質感のある古材を張って仕上げたキッチン、琺瑯や真鍮のペンダントライト、革張りのソファ、エアプランツなどがインダストリアルテイストを構成
質感のある古材を張って仕上げたキッチン、琺瑯や真鍮のペンダントライト、革張りのソファ、エアプランツなどがインダストリアルテイストを構成
欄干や室内の窓枠、ドアなどはすべて黒、壁は白、木部の色調も合わせることで、統一感が生まれる。ビビッドな色のインテリア雑貨を組み合わせるのもポイント
欄干や室内の窓枠、ドアなどはすべて黒、壁は白、木部の色調も合わせることで、統一感が生まれる。ビビッドな色のインテリア雑貨を組み合わせるのもインダストリアルデザインらしさのポイント
古家の古材や建具を生かした和テイストの住まい。フローリングを古材と同じ濃い色にすることで統一感をもたせている
古家の古材や建具を生かした和テイストの住まい。フローリングを古材と同じ濃い色にすることで統一感をもたせている
上と同じ家のキッチンまわり。抹茶色の正方形タイルも、和テイストに一役買っている
上と同じ家のキッチンまわり。抹茶色の正方形タイルも、和テイストに一役買っている

色を使うときは、他の素材と
トーンを合わせる

「統一感は欲しいけど、シンプルすぎるのはつまらない」ということで、最近人気なのがアクセントウォール。空間に差し色をプラスして、その家の個性を表現することができます。ただ、統一感を大事にしたいなら、インテリアに使う色のトーンには気をつけて。ニュアンスカラーとビビッドカラーが変に入り交じると、統一感を保つのが難しくなってしまいます。

キッチンに淡い桃色のアクセントウォールを採用。
キッチンに淡い桃色のアクセントウォールを採用。やわらかなニュアンスカラーが、白を基調とした空間に映える
左写真の家のリビング。ピットリビングに敷き込んだじゅうたんは、淡いグレー、さり気なく置いたクッションのひとつを、アクセントウォールと同じ桃色にするだけで統一感が感じられる
左写真の家のリビング。ピットリビングに敷き込んだじゅうたんは、淡いグレーで、さり気なく置いたクッションのひとつはアクセントウォールと同じ桃色
ビビッドなブルーを生かした水まわり。強めと思える色も、徹底的につくり込めば魅力に変わる
造り付けのパーテーション兼飾り棚も、同じブルーに
造り付けのパーテーション兼飾り棚も、同じブルーに

このようにインテリアに統一感を持たせるためには、一定の法則のようなものがあります。設計士さんやインテリアコーディネーターさんなどの力を借りながら、目指すテイストのポイントを押さえた内装仕上げとインテリア選びで、ぜひ憧れを叶えてくださいね。

(文/Replan編集部)