先に「小さな家にもおすすめ。「玄関土間に薪ストーブ」の住まい実例」「動線がポイント!「リビング土間」に薪ストーブの住まい実例」とご紹介してきましたが、今日は「玄関とリビングの土間を一体化させた間取り」の薪ストーブのある住まい実例を3つご紹介します。


薪ストーブと掘りごたつのある家で、穏やかな冬のひととき

大学時代に林学を専攻し、自然に関わる仕事をしているKさんは、「家を建てるなら自然豊かな土地で、自然素材を使った家を建てたい」と考えていました。完成したのは、「和の趣」をコンセプトにした掘りごたつと薪ストーブのある住まいです。玄関ドアを開けると真正面に薪ストーブが見え、玄関土間がそのままヨツールのF500が置かれたLDKへとつながります。玄関からもリビング土間の窓からも出入りができる、薪の運び入れにスムーズな動線です。

掘りごたつに座ると、目線がちょうど薪ストーブの高さに。リビングでくつろぐひとときは、揺らぐ炎に心癒される至福の時間
掘りごたつに座ると、目線が薪ストーブの高さになって炎を眺めるのにちょうどいい。リビングでくつろぐひとときが至福の時間に
薪ストーブは、玄関から続く土間の上に設置。LDKとの段差がちょうど椅子代わりにもなる
玄関からリビングへひとつながりの土間の上に薪ストーブを設置。LDKとの段差がちょうど椅子代わりにもなる
三角屋根とレンガづくりの煙突がシンボリックなKさんのお住まい
薪棚はガレージの横に造作。玄関からもリビングの外のテラスからもアクセスしやすい

レンガ敷きの土間でゾーニングした職住一体の住まい

スキーインストラクターの経験もある建築家が自邸を建てたのは、里山の傾斜のある林の中でした。レンガを敷き詰めたポーチを進んで玄関ドアを開けると、まっすぐに伸びる玄関土間。この土間は、居住空間とアトリエを緩やかに分けながら、リビングの前までつながっています。薪ストーブの背後には大きな窓があり、リビング・ダイニングから周囲に広がる林を一望できます。レンガ敷きの土間は、コンクリートやタイルのそれとはまた異なる柔らかな趣が感じられますね。

玄関を開けるとまっすぐに伸びる土間は、職と住の空間をゆるやかにゾーニング。冬は家族のスキー置き場にもなる
リビング・ダイニングから外の林を一望できる設計。薪ストーブがよく似合う
玄関から入って奥の右手には建築家のアトリエ。通路を兼ねた広い土間には、薪棚を置けて機能的

セカンドリビングで、薪ストーブを楽しむ暮らし

眺望の良さという立地条件を生かすため、LDKや水まわりなど暮らしの中心となる空間を2階に配したTさんのお住まい。アウトドア好きなご家族ということもあり、1階の玄関からテラスまで土足で行き来できる多用途の土間スペースを設け、その一角に薪ストーブを設置しました。窓ガラス越しにテラスとパノラマの眺望が開けて、大きな空を背に薪ストーブの炎を愉しめるこの空間は、Tさんがこの場所専用のソファとラグを買ってしまうほどご家族のお気に入りに。こんな土間の使い方も、魅力的ですね。

玄関から入ってすぐの土間に薪ストーブを設置。庭は薪割り場に、玄関ポーチは薪置き場としても活用
玄関とテラスの両方にアクセスできる広い土間。すぐに使う薪は、テラスに置いておくと便利
セカンドリビングとなった1階の土間スペースは、ご家族みんなのお気に入りの場所
眺望のよい明るく広々とした2階LDK。必ずしも薪ストーブをLDKの一角に置かなくても、豊かな住まいがつくれることがわかる


アクティブに生活を楽しみたい人にとって、暑さや寒さ、天候に左右されずに作業できる土間はとても重宝する空間。だからこそ最近特に、作業することを前提とした広い土間をプランに含む家が増えているのでしょう。もちろん、薪ストーブ置き場としても土間はとても理にかなっています。屋内と外の中間帯であることを意識しながら、自分たちにぴったりの土間のある家で薪ストーブを楽しみたいものです。

(文/Replan編集部)