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Q 地震による外壁、内壁のヒビ割れついて

質問者/奈良県・ピーチ
記事No.14195/カテゴリ:その他

2018年6月18日に起きた大阪北部地震の影響と思われるヒビ割れが、マンションの部屋の壁に発生しました。クロスがギザギザに割れているのに気づき、少しはがして中を見てみると、中の石膏ボードにもヒビが入っていました。

また、玄関横の外壁にも亀裂が入っており、地震直後、玄関ドアの開閉が困難になりました。ドアの修理業者の方に、なんとか開閉できるようにはしてもらいましたが、原因は横の壁がドア方向に押し出てきていることのようです。

外壁は共有部分になるので、組合の方に費用は出してもらえると思いますが、部屋の内部の壁は自己負担になるのでしょうか? 外壁の亀裂は2階と3階で規則正しく入っています。地震の揺れは震度4程度だったのに、ここまでの亀裂が入るのはマンションの構造に問題があるのでしょうか? 築30年ほど経っていますが、大規模修繕も何度かしており、直近では5年ほど前にも実施されています。

今後大きな地震が起きたときに大丈夫なのかとても不安です。

A-1:回答者/一級建築士事務所(株)北工房 代表取締役 栃木 渡

ご心配のことと思います。「組合」とありますので、分譲マンションという前提でお答えします。

まず建物全体として「耐震診断」を行った方がよろしいかと思います。これは、相当に費用がかかりますが、組合として対応ということになろうかと思います。「現状の耐震性能」がある程度判断できますので、その数値を睨みながら、必要であれば「耐震補強」をするのか、「現状の補修」で済ませるのかの判断をします。

いずれにしても、組合総会の決議を経ながら決められることですので、早急にとはいかないかと思います。また、その修繕費用も恐らく現在の長期修繕積立金では不足することが考えられますので(追加の費用徴収などが発生する)、その辺りの合意を取りながら対応するとなると、2~3年がかりの事業になろうかと思います。

室内については、原則、専有部ですから、それぞれ区分所有者の負担になります。ただし共有部分でも補強の方法によっては、室内からの作業が必要になる場合もあり、その時は組合全体の支出行為としての対応となります。結局のところ、修繕積立金が不足していれば、区分所有者の全員で負担しなければなりません。

できるだけ早く理事会に働きかけて、まずは「耐震診断」をされることをお勧めします。

質問者より

ご回答、ありがとうございました。管理組合の方でも管理会社に調査依頼をしているようなので、今後の成り行きを見守りたいと思います。

室内の方のヒビ割れは自己負担になるとのことですが、どのような補修になると思われますか? 写真だけなので判断は難しいと思いますが、推測で構いませんのでご意見をきかせていただけるとありがたいです。地震保険に入っているので、まずは現状を見てもらい鑑定してもらうのでしょうか。

A-2:回答者/一級建築士事務所(株)北工房 代表取締役 栃木 渡

室内は、おそらく石膏ボードがズレている(表面上は)だけですから、クロスを貼り換えるだけで、美観上は綺麗になります。コンクリートの躯体(石膏ボードのさらに下)は、個人でいじっても補修になりませんし、補強にもなりません。

地震保険に入られているのなら、早々に連絡を取って段取りを確認なさってください。建物全体のお話としては、相当なダメージと推測しますので、住民皆さんで協力して対処されると良いと思います。


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