デザインウォール

大事にしていきたいのは「コミュニケーション」
職人だからこその「できる・わかる」を最大限に活かす

「北海道に人が自然と集い語らうリビングのような会社をつくりたい」。ノースリビングは、そんな思いから、2018年3月に誕生しました。会社を興したのは、札幌で25年の大工、設備職人のキャリアを持つ近藤勇之さんと新潟で電気工事会社を起業している鈴木元近さん。全国規模で工事を請け負っていた鈴木さんは、5年前から札幌の現場も手掛けるようになり、近藤さんと出会いました。「とにかく近藤さんの仕事が格好良く、人間的にも一緒に夢を実現できそうな魅力にあふれていました」と、鈴木さん。

札幌で25年大工の経歴がある近藤勇之さんと、新潟で電気工事会社を経営しながら現場でも活躍する鈴木元近さんの職人コンビ。「今後は住まう人の趣味に特化したプランを」と鈴木さんが語れば、近藤さんも「マンション・リノベにこだわらず、いろんなことにチャレンジしたい」と、意欲的な姿勢をみせる
札幌で25年大工の経歴がある近藤勇之さんと、新潟で電気工事会社を経営しながら現場でも活躍する鈴木元近さんの職人コンビ。「今後は住まう人の趣味に特化したプランを」と鈴木さんが語れば、近藤さんも「マンション・リノベにこだわらず、いろんなことにチャレンジしたい」と、意欲的な姿勢をみせる

目指したのは、住まう人の予算と希望に合う中古物件を職人目線で一緒に選び、プランニングからコスト管理、施工まで一貫して手掛けるリフォーム主体の会社。「お客様自身が思い描いていた住まいを実現するために、職人である私たちだからこそできることが、たくさんあります。現場も私たちが手掛けますから、施工途中でも細かな調整ができます。そういうコミュニケーションを大事にする会社にしたい。それが、私たちの一番の願いです」と、近藤さん。

玄関からそのまま続くワンルーム型のLDK。リビング側の壁には、ヒノキ材やガルバリウム鋼板、間接照明を用いて「見せる収納棚」を造作
玄関からそのまま続くワンルーム型のLDK。リビング側の壁には、ヒノキ材やガルバリウム鋼板、間接照明を用いて「見せる収納棚」を造作

2018年2月、その第一歩として札幌市にある築44年の中古マンションを購入。「自然と健康」をテーマにしたリノベーションを行い、5月に自社のモデルルームとしてオープンしました。経年劣化が激しかった2LDKの住まいは一変。ヒノキやスギ、シナ、タモなどの無垢材、集成材、珪藻土、レンガなどを効果的に配した室内は、見違えるようにスタイリッシュな空間に生まれ変わりました。既存の壁付けキッチンは対面式の造作仕様に、水まわり設備や配管も新しいものに交換されています。

質感豊かなスギ材とクールなステンレスを組み合わせた造作キッチン
質感豊かなスギ材とクールなステンレスを組み合わせた造作キッチン
今は造作の収納スペースとなった既存のキッチン
今は造作の収納スペースとなった既存のキッチン

「限られた予算でも、物件購入からトータルでコスト管理をすることで、自然素材を多用した空間が実現できることを知ってほしかったんです。実際にここで、私たちの技とこだわりを五感で確かめていただきたいと思っています」と、鈴木さん。

リビングの壁はスギ材をランダムに張り、タモ材の造作収納も設置。随所にしつらえた間接照明がやわらかい雰囲気を演出する
リビングの壁はスギ材をランダムに張り、タモ材の造作収納も設置。随所にしつらえた間接照明がやわらかい雰囲気を演出する

実はこの物件には活用可能な広い屋上スペースがあったことも、購入の決め手になったそう。今後は、マンションの管理組合と協働して屋上緑化にも挑戦する予定です。「マンション住まいでも、広々とした空の下で休日に菜園づくりやバーベキューなどを楽しめる。そうした暮らしの楽しみが、住まいだけではなく、健康や食に対する意識を高めるきっかけになれば嬉しいです。まだまだ、私たちの試みは進化を続けます。ご期待ください」と、鈴木さんは力強く話してくれました。

幹線道路に面して建つ築44年のマンション。長く風雪に洗われた外観と、室内のモダンな雰囲気とのコントラストも見どころの一つ
幹線道路に面して建つ築44年のマンション。長く風雪に洗われた外観と、室内のモダンな雰囲気とのコントラストも見どころの一つ