さまざまな機能や役割があって、家には欠かせない「窓」。その重要度は、暮らしの良し悪しを左右するといっても過言ではありません。Replanの取材でいろんな家にお邪魔しますが、素敵だなーと個人的に強く感じる空間には、窓に「木製サッシ」が使われていることが多いような気が。木枠の窓の外に、雑木林と青い空…なんて絵画のような美しい景色が見えた日にはもうたまりません…。そんな木製サッシ、素敵なのはデザインだけではないんです。

進化し、新たに注目される木製サッシ  

昔から内外部の建具として使われてきた木材。窓の歴史の中で新素材が流通するようになってからも、木の持つ風合いや重厚感から、ヨーロッパでは窓、玄関、開口部などに木製建具が採用されてきました。

その後、気密性・水密性などの木製サッシの弱点である部分を進化させ、今では現代の窓に要求される基本性能をクリアする高性能なサッシへと変化。一般的な引き違い窓や開き窓の他、突き出し窓やすべり出し窓、天窓や折れ戸など、多様な開閉機能を持たせた商品がつくられています。

LDKの大きな掃き出し窓を木製サッシに。床や造作家具の色・質感に合わせることで、より統一感のある美しい住空間となっている

優れたデザイン性。素材感も魅力  

建物の印象を左右する大きな要素である窓。だからこそ、デザイン性の高さが求められます。一概に木製サッシといっても、住まいのデザインによってさまざまな仕上げが存在します。木の素材感を生かしたり、塗装によって住まいのイメージに合わせたり、中には、外部に耐久性の高いアルミを使用してメンテナンスの手間を軽減したものなどもあります。

意匠的な表現力に秀でているのが木製サッシの大きな特徴。そのため一般住宅はもちろん、ぬくもりややすらぎを志向する設計デザインにおいて、木製サッシが採用されるケースが増えています。

佇まいが美しい木製サッシ。外の風景を切り取るフレームのような役割も

省エネで耐久性に優れ、環境にも優しい  

木製サッシの魅力は、デザイン性だけではありません。実は断熱性能にも優れているんです。住まいの中で熱の逃げ場となりやすい窓に木製サッシを使用することで、住まいの性能は向上。建物全体の省エネルギー性能を高めることができます。

木材は熱伝導率が低く、防露性にも優れています。サッシの結露防止効果に加えて、一般的に木製サッシは複層ガラスやトリプルガラスを採用することが多く、ガラス面も結露しにくくなっています。製造段階で放出される炭酸ガス量もきわめて小さく、廃棄の段階でダイオキシン等の有害物質を出すこともないので、環境負荷が低い工業製品であるともいえるでしょう。そして意外にも木製サッシは、耐熱性、防火性、遮音性にも優れているという実験結果が出ており、総合的な性能の高さが証明されています。

断熱性能に優れるため、このように大きな窓の設計も可能

大切なのは日々のメンテナンス  

木製サッシの機能と美的特徴を保つには、日頃のメンテナンスが大切になります。 採用するサッシのメーカーごとに異なる部分もありますが、可動部分(金物)の点検のほか、木部や塗装の定期的な点検が欠かせません。窓は紫外線にさらされている時間も長いので、一般的には3〜5年ごとに再塗装するのが理想的。木材が劣化する前にメンテナンス(再塗装)することで、いつまでも美しい高性能な窓を保つことができるのです。 

紫外線の影響を受けやすい窓。こまめな手入れが、美しい窓辺を維持する

室内空間を美しく見せてくれて、しかも高い機能性を持つ木製サッシ。予算との兼ね合いで悩む方もいると思いますが、素敵な景色が見える場所の窓やLDKの窓にだけ採用するなど、部分的に使うのもオススメです。

(文/Replan編集部)

取材協力
(一社)日本木製サッシ工業会