家族や働き方の変化に伴って、「キッチン」に求められる機能も変化しています。さらに、おうちでご飯をつくって食べる機会が増え、キッチンの役割を考え直している人も多いのではないでしょうか。住宅雑誌『Replan北海道vol.134』(2021928日発売)では巻頭特集「いまどきキッチン」で、さまざまな暮らし方のご家族が求めたキッチンのかたちをご紹介しています。

今回は、本誌特集内に掲載された住宅を設計した建築家の方に、誌面に掲載されたお宅をはじめとした住まいにおけるキッチンの位置づけや暮らし方の変化について、コメントをいただきました。


アーキラボティアンドエム
大坂美保子さん

キッチンが「だれかひとりにとっての城」ではなくなって久しいですが、コロナ禍はその様子をさらに加速させたように感じています。以前は来客時を意識して見えてもいい場所と隠したい場所を考える方が多かったのですが、人を招く機会が減ってしまったことやキッチンと接する時間が長くなったこともあり、人に見られることよりも自分たち家族にとって何がベストかを考えるようになった気がします。

そうすると、建て主の発想がすごく自然にアイランドキッチン一辺倒ではなくなりました。これまではキッチンに立ちながら家族に目を配れるというメリットからアイランドタイプを希望される方が多かったのですが、壁付けのキッチンの方が複数人作業には向いていると考えられたり、あまり見慣れない形ではありますが今回掲載いただいたキューブ型のキッチンのように、みんなで作業しやすくかつ動線も短くて済む形のキッチン提案もすんなり受け入れていただけます。

設計者としては、作業性や清掃性はもちろんのこと、家族同士のコミュニケーションの場所、居場所としてキッチンをとらえ、滞在空間としての心地よさも重要と考えています。ご家族ごとに異なる生活スタイルを丁寧に読み解き、楽しく豊かなスペースになるような提案を心がけています。


Replan北海道vol.134の巻頭特集「いまどきキッチン」では、実際に家を建てた人の暮らし方とキッチンに求めたもの、その使い方を事例を通じて紹介しています。キッチンを快適に使いこなすための収納のコツなどもお伝えしていますので、ぜひご覧ください。

Replan北海道 vol.134
2021年9月28日(火)発売

北海道内の主な書店やコンビニのほか、
Replanの販売ページamazonfujisan
オンラインでもご購入いただけます。