建て替えや親族の土地に建てる場合を除き、注文住宅を建てるにはまず土地探しから始めることになります。そこで今回は土地探しのコツや方法を、リプランの取材先で聞いたお施主さんの声も交えながら解説します。(※写真はすべてイメージです)

桜岡の家


土地探しは、条件の優先順位を明確に

土地探しの第一歩は、自分たちが家を建て、暮らしていくうえでの基本条件を整理することからスタート。通勤や暮らしの利便性、子どもの学区、周囲の環境、広さ、価格など、何がマストで、どこまでを許容範囲とするかを定めます。

とはいえ、すべての条件を完璧に満たす土地はなかなか見つからないもの。いろいろな土地を見比べる中で、考え方や許容範囲が当初と変わってくることもあります。最終的な優先順位をもとに判断しましょう。ときに即決する勇気も必要です。 

住宅密集地の一角にある土地は、変形五角形で広さは約40坪

どうやって探したらいいの?
土地探しの4つの方法

土地探しは主に4つの方法が考えられます。

方法① 不動産情報を見る

インターネットの土地情報サイトやチラシ、新聞などの広告媒体に掲載されている不動産情報を見比べるのが、最も手軽な手段です。特に土地情報サイトは、自分の希望の条件に合う土地の絞り込みができ、写真や地図も見やすいので効率良く情報収集ができます。特定のサイトにしか載っていない情報もありますので、同じ条件で複数のサイトを比較してみましょう。

方法② 不動産業者に相談する

居住希望エリアが絞られている場合は特に、その地域密着の不動産業者に相談するのも効果的です。タイミングによっては、まだ情報を公開していない土地を紹介してもらえることも。候補地が見つかった際には、周辺の住環境についても詳しい話を聞くことができます。

方法③ 家づくりを依頼する工務店や建築家に相談する

一般的に「土地を購入→依頼先を探す」と思いがちですが、特に注文住宅の場合は、依頼先を決めてから土地を決めたほうが、思い描く家づくりにつながりやすいです。

というのも、候補の土地を建築のプロが一緒に見てくれて「この土地条件だったら、こういう可能性がある」ということをアドバイスしてもらえるから。その意味でも、どんな予算感でどんな暮らしを希望しているか知っている工務店や建築家に土地探しを相談するメリットは大きいと言えます。

また工務店によっては、自社で建築条件付きの土地を販売しているケースもあるので、気になる工務店のホームページの不動産情報をチェックしてみるのも一案です。

方法④ 自分たちの足で探す

取材先で意外とよく聞くのが、住みたいエリアを外出ついでにドライブして、売り土地がないか自分たちで探して見つけたというエピソード。「ちょうど不動産屋さんが売り土地の看板を立てているところに遭遇した」なんて偶然も。

土地の様子や周辺環境は、その場に立ってみないとわかりません。自ら気になるエリアへ出向いて探すのも、重要な土地探しの方法の一つです。中にはどうしてもエリアにこだわりたくて「Googleマップで条件に合いそうな空き地を探し出した」というケースも…。

周りの景色に溶け込む外観

よく「土地は縁のもの」といわれます。「最初に良いと思った土地は別の人に買われてしまったけど、そのおかげでこの土地に出会えた」など、「会うべき土地に引き合わされた」という体験談も頻繁に聞きますので、なかなか思う土地が見つからなくても焦らず、マイペースに情報収集を続けていきましょう。

土地を見るときの3つのポイント

ポイント① 時間帯や日にちを変えて足を運ぶ

気になる土地が見つかったら、朝・昼・下校時間・夜・平日・週末、天気の良い日・悪い日、と条件の異なる時間帯や天候の日に何回も足を運びましょう。一生住む土地ですから、近隣の雰囲気や時間による陽当たりの変化などをできるだけ事前に把握しておくと安心で、プランニングの参考にもなります。

ポイント② デメリットは、実はメリットかも?

「高低差がある」、「狭い」、「形が四角くない」、「住宅密集地で陽当たりが心配」など、一見すると希望するような家は建てられないと思える場所も、プロの視点ではそこまで問題ではなく、むしろ設計の工夫で個性的な楽しい家になることも多々あります。

一般に、整形地でなくて「難あり」とされる土地は、価格が相場よりもお手頃なケースも多いので、依頼先が決まっている場合は、検討段階で一緒に見てアドバイスをもらいましょう。

ポイント③ 「更地」でなくても家がつくれる可能性はアリ

候補となる土地は更地だけではありません。条件にぴったりの場所で古い空き家が売りに出ていれば、それも候補に。リノベーションしてもいいですし、解体費用を含んでも予算に収まるなら、更地にして新築する手もあります。

土地の良しあしやポテンシャルは、専門家でない限り少し見ただけでは判断がつきません。気になる場所を見つけたら、さまざまな角度からとことん検討しましょう。

(文/Replan編集部)