「シンプルな家〜細長総2階建て住宅」(1/4)

シンプルな総2階建て住宅

30年ほど前に高断熱住宅がつくられ始め、北海道の標準として無落雪屋根の総2階建て住宅もしくは三角屋根住宅が推奨された時期がありました。北海道は、北側斜線制限と容積率が他県より厳しく、ほとんどの家が一部2階建ての凸凹した住宅で、屋根の雪による障害が多く発生していました。しかし、総2階建て住宅のプランニングは意外に難しく、30~40坪くらいの家では1階が手狭になり、それより大きな住宅では2階が広くなりすぎました。なぜなら1階にLDKと和室、サニタリーを配置すると、どうしても1階の面積が25~26坪ぐらいは必要だったのです。

私たちは、暖かく快適な高断熱住宅の特性を利用して2階の一部を吹き抜けとしたり、普通は1階に配置されるサニタリーを2階に配置したり、ほとんど使われない和室を2階に趣味室として配置したりして、いろいろな大きさの総2階建て住宅プランをつくり始めました。当時は毎年1~2軒の住宅を実験住宅と称して学生と一緒に設計や現場施工なども行い、新しい工法やデザイン、ディテール、さらに空間的試みや生活提案などを盛り込み、次々と雑誌に紹介していました。屋根窓や木造基礎断熱住宅などは私の研究室でつくった住宅が最初でした。

2階の一部を吹き抜けにした総2階建て住宅(4ページでも紹介)
2階の一部を吹き抜けにした総2階建て住宅(4ページでも紹介)

当時はこのような新しい技術を盛り込みながら、総2階建て住宅でコストを抑えつつ、比較的大きな住宅をつくり続けていました。技術的に100年住宅のめどが付き、100年間いろいろな家族構成の世帯がライフステージを変えながら住み続けるには、ある程度の大きさが必要と考えたからです。しかし、バブルもはじけ、社会的にも長い停滞が続きました。リーマンショック以降のエネルギー価格の暴騰も経験しました。これからは、コンパクトに住む時代に変わってきているような気がします。

2階の一部を吹き抜けにした総2階建て住宅(4ページでも紹介)

総2階建て住宅外観