菊澤章太郎さん✕宮城島崇人さんの「資産価値を高めるデザイン」を考えるクロストーク!YouTubeで公開中

公開日:2025.10.30 最終更新日時:2025.10.30

家づくりの最前線で活躍するプロを訪ね、これからの家づくりにあらかじめ知っておきたい考え方や基礎知識をうかがう取材シリーズ。

Replan北海道の記念すべき150号の特別記念企画として、道内を拠点とする工務店と建築家計4名による、3つの動画をReplanのYouTubeチャンネルで公開しています。

第3弾は、「資産価値を高めるデザイン」。

ご登場いただいたのは、会社として平成初期から地域密着で高性能住宅に取り組んできた(株)キクザワの菊澤章太郎さんと、建築家として住宅・非住宅を問わずさまざまな建築のデザインを手がける(株)宮城島崇人建築設計事務所の建築家・宮城島崇人さんです。

以前は「家を建てたら一生住むもの」という考えが一般的でしたが、今はライフステージに応じた住み替えなど、住まいへの考え方が柔軟になり、「持ち家」を資産として正当に評価する体制も少しずつ整備されてきています。

そこでこのクロストークでは、過去に建てた住宅の中古市場での評価や、将来的に個性のある注文住宅の資産価値を高めるために必要だと思うことなどを、お二方に語っていただきました。

また、クロストークの最後に、他の対談者の方や観覧していた大学生からの質問タイムを設けました。動画には収録されていない質問タイムのやりとりを、一部この記事でご紹介します!


■質問者:北海道大学大学院 勝木さん
□回答者:菊澤さん

Q.地域工務店として、地域の方々やお施主さんに対して、具体的にどのような取り組みをしていますか?

まず、私たちが手がける住宅では道産木材をすごく使うようにしています。例えば、構造材には道南スギやトドマツ、外壁材にも道南スギを使うなど、地産地消を意識しています。また、できるだけ地元の企業さんと仕事をすることが、結果的に地元の雇用を増やすことにもつながるかなと思っています。

あとは、少し長期的なスパンの話になりますが、うちの子が通っている幼稚園で大工さんと一緒に出前講座を開催しています。「ものづくり」そのものの楽しさを伝えることで、地域で育った子どもたちが家づくりに関心を持ってくれたり、職人を目指してくれたりしたらいいなと思い、いろいろな循環を意識して取り組んでいますね。

大工になる人って、僕もそうですが、幼いときに大工さんと関わったり、大工さんが自分の家を建てていたり、幼少期の原体験がきっかけになっている方がかなり多いんですよね。

正直、社会の多くの人たちが家づくりという「ものづくり」に、お金を出すだけの価値を感じていないという現実があり、難しい問題だなと感じています。不動産売買の在り方や社会の価値観といったものを少しでも変えていくためには、まずは「住教育」が必要だと思って活動しています。


「投資」の概念が浸透しつつある今、「家は資産である」という捉え方はより一般的になっていくでしょう。動画を視聴して、住宅の「資産価値」を建築のプロがどう考えているかを知ることで、ぜひご自身の住まいの「資産価値」について考えるきっかけにしてください!

(文/Replan編集部)

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