第43回 「新住協の新パンフレットをご紹介」
30年以上にわたって在来木造住宅の高断熱・高気密化を研究し、性能とデザインは両立できることを説き続けてきた鎌田紀彦氏。高断熱・高気密住宅の建築コストの適正化にも取り組み、現在、暖房エネルギーが1/2〜1/4で済むような高性能住宅が、普通の人でも十分手の届く価格でつくれるようになっています。 この連載では、氏のこれまでの活動の中で設計した住宅、あるいは氏と共に新住協を支えている会員の設計などを紹介しながら、そこから生まれた新しい技術や、高断熱・高気密住宅ならではのデザイン、計画手法を紹介していきます。
新住協が発足してから今年で37年になります。高断熱住宅の普及と設計・施工技術の改良、開発を続けてきましたが、近年ようやく国も省エネ基準等級5~7を打ち出し、等級4を義務化して、急速に皆さんの関心も高まり、全国のハウスメーカーや工務店も高性能な高断熱住宅の建設に取り組み始めました。隔世の感がありますが、普及・推進を第一に活動してきた新住協も新たな取り組みを始めようと、「わたしたちの家づくり」と題するパンフレットを刷新しました。ここでその一部をご紹介したいと思います。
新住協は住宅技術を総合的に開発 常にオープンに公開
新しいパンフレットは、新住協の会員は「全棟Q1.0住宅レベル-3以上の家づくり」を目指して家づくりをするということを中心に訴える内容になっていますが、新住協が開発してきた技術も紹介しています。私たちは省エネ住宅の技術のみならず、住宅をローコストに、快適に、そして長持ちさせる技術などを総合的に追求してきました。
私が室蘭工業大学に在籍していた頃、北海道の在来木造住宅の木材腐朽を防ぎ、省エネ、快適化を実現できる高断熱・高気密住宅の工法を提案し、その普及を図るために新住協の前身がスタートしました。私の研究室のみならず、新住協の会員とともに技術の改良と新たな技術開発に取り組んできました。そして、その成果を常にオープンに公開してきました。いろいろな住宅雑誌に投稿したり、誰でも参加できるセミナーを開催したり、実験住宅でその技術を確かめたりしてきました。そうした技術を11項目の図解で紹介します。
1.透湿防水シートを使った通気層工法

2.高断熱・高気密 新在来木造構法の開発

3.暖冷房エネルギー計算プログラム「QPEX」

4.これからのGW断熱の標準工法~GWS工法

5.とても快適な床下暖房システムの開発

6.床下をチャンバーとするローコスト全室暖冷房システム

7.厚い木材を使った30~50年の耐久性を持つ目透かし張り木造外壁の防火構造認定取得

8.ローコスト、コンパクト総2階建て住宅のプロトタイププランの開発

9.ベタ基礎形状の断熱型枠基礎断熱工法

10.2×10材屋根断熱工法の屋根倍率取得(開発中)

11.既存住宅のローコスト断熱耐震改修工法および既存住宅の部分断熱改修工法


私たちは、常に「安くて良い住宅をつくりたい」という願いとともに、どうしたらそうした家づくりが広く普及していくだろうかと考えながら活動しています。
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