伝統と家族の歴史を未来へつなぐ47坪3人家族の平屋
Replanが取材した、北海道・東北の素敵な住まいづくりの話をご紹介します。
有限会社 清水畑建設/盛岡市・Kさん宅 夫婦〇〇代、子ども1人
台湾から移住して盛岡で建てた
15年間描き続けた理想の家
台湾出身のKさんと岩手県宮古市出身の奥さんが出会ったのは、大阪府の日本語学校。結婚、妊娠、出産を台湾で経験したご夫妻が、子育ての環境にいいと選んだのが盛岡市でした。「実家がある台湾の都市部は排気ガスが多く、自然も遠い。盛岡は都市と自然が近く、日本は教育制度も整っているので、子育てがしやすそうだと思いました」とKさん。大学時代を盛岡で過ごした奥さんにとってもなじみのある街でした。

移住前に住宅付きの土地を購入。日本での生活を開始しました。台湾では機械エンジニアをしていたKさんは建築も好きで、独身だった15年前から理想の家を考えていました。「間取り図をCADでつくったり、3DCGで再現したりしていました」。移住後は日本の建築基準法や伝統的な住宅を調べながら、新築に向けて理想の家のプランを練り直しました。


スーパーに行く道の途中にある清水畑建設の事務所を見て素敵だなと思っていたご夫妻。他にも気になっていた工務店を2社選び、Kさんは3社に自分のプランを渡し、図面にしてもらいました。「清水畑建設さんは私の意図を尊重した図面をつくってくれました。感覚を理解してもらえたと感じ、依頼先に決めました」。

日本の伝統美と家族の歴史を
未来へ受け継ぐ平屋の住まい
Kさんご夫妻の「古民家風」という希望を叶えた、47坪の大きな切妻屋根がかかる平屋。県産スギ材の板塀や盛岡産花崗岩の石垣、岩手山からの吹きおろしを防ぐ防風林が一体となり、武家屋敷を彷彿とさせるたたずまいを見せます。日本の伝統様式と現代の生活を調和させた住まいです。

玄関を開けると、格子状の温水パネルヒーターの奥に、最高4.2mの勾配天井が広がる約30帖のLDKとライブラリーの大空間が出迎えます。床は県産ナラ、梁と柱は県産アカマツ、壁は漆喰。ダイニングにはセンノキのオリジナルテーブルが据えられました。

ライブラリーには、勾配天井に合わせ縦6~7段、横8列に並ぶ天井高の造作本棚を配置。1マス45cmの正方形で、Kさんがデザインしました。その前に置かれたデスクはKさんの祖母から受け継いだ品で、現在は奥さんが愛用しています。


アイランドキッチンの梁の上には、奥さんの祖父が大切にしていた実家の組子細工の欄間を飾りました。吊り戸棚をなくした開放的な空間のアクセントとなっています。日本の伝統と家族の歴史を現代の生活に合わせてアレンジし、未来へ受け継ぐ住まいです。



清水畑建設さんは台湾人の私に日本の住宅について丁寧に説明してくれました。高温多湿な台湾では、建材はレンガやコンクリートが主流。木材に詳しくない私に「木は木材になっても生きていて変化するもの。竣工後に木材の乾燥が進んで、縮んだり割れたりしても問題ない」と教えてくれました。気密や断熱など住宅の性能が「快適な暮らし」に関係していることも初めて知りました。実際に住み始めると説明どおりの快適さで、清水畑建設で建ててよかったと思っています。(Kさん談)
最終回「連載を終えるにあたって」


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