小部屋の中に、衣類や小物類などをまとめてたっぷり収納できるウォークインクローゼット(以下WIC)。「家をつくるなら、ぜひ欲しい!」という声もよく聞かれます。寝室の隣に配置するのが一般的ですが、Replanで取材したお住まいの中には、「え?そこ!?」という意外な場所にWICを設けた例も。そこで今回は、そんな一見不思議な、でも実はとても理にかなった場所に配されたWICのある事例のひとつをご紹介します。

「脱ぐ→洗う→干す→しまう→着る」が
スムーズな回遊動線

札幌市のSさんのお住まいは、延床面積約45坪の2階建て。ご夫妻は共働きで、仕事と子育てに日々忙しいことから、「朝起きてから出勤するまで」「家に帰ってきてから就寝まで」の生活動線が、機能的でスムーズになるようにしたい、というのが家づくりでの大きな希望でした。

そこで生まれたのが、ダイニング・キッチンの隣に家族共有のWIC(クローク)を設けるというプラン。WIC〜洗濯室〜ユーティリティ〜バスルームを回遊動線でつなげて、「脱ぐ→洗う→干す→しまう→着る」の動線を無駄なく、機能的にまとめました。

台形の変形敷地に建つSさんの家。1階はオープンキッチンを中心に、左手にライブラリーやワークスペース、右手にWIC(クローク)や水まわりの機能をゾーニングしている
統一感があって、シンプルで美しいストレートダイニングのキッチン
統一感があって、シンプルで美しいストレートダイニングのキッチン
ダイニングの横にWIC
その横には、家族みんなで使うWIC(クローク)を配置。洗濯室が奥にあるので、人目に触れることなくいつでも洗濯物が干せて、スムーズに収納できる
WICとダイニング・キッチンは、引き戸で間仕切りが可能
一直線の動線は、朝晩の忙しいときでもストレスフリーに動ける。WICとダイニング・キッチンは、引き戸で間仕切りが可能

「洗濯も料理もとにかく動線が短く、スムーズに作業できるので、とてもラクです」とSさん。ストレートダイニングの並びにWICという一般的ではないレイアウトも、Sさんご夫妻の暮らしにとってはぴったりでした。

当初Sさんは、家庭用クローゼットをもっと広くして、家族みんなのすべての衣類をそこでまとめて管理したいと考えていました。しかし床面積や予算、他の希望のことなど総合的に判断して、このWICにはその季節に使うものだけを置き、衣替えのときに2階の納戸に収納した季節の衣類とまるっと入れ替えることに。結果的に、普段の暮らしに不便を感じることなく、快適に過ごせているといいます。

ガルバリウムの外観
■設計/(有)TAO建築設計 ■施工/(有)第一工務店

Sさんのお宅のように、最近はご家族の衣類を1ヵ所にまとめて収納するケースも増えています。「WICは寝室の隣」という固定観念に囚われることなく、設計士さんや施工会社さんと相談しながら、自分たちにとってベストな配置や収納方法を検討してみてはいかがでしょうか。

(文/Replan編集部)