羊蹄山をドーンと正面に望むFさん宅。道路に向かって下がっている傾斜地の一番奥に家を建て、リビングは2階に据えています。ダイニングからリビングにかけて並ぶ東向きの大きな6枚の窓は、羊蹄山の姿を美しく切り取るだけでなく、冬の採暖にも活躍。太陽が出るとすぐに2階を暖めてくれます。

約14帖と特大サイズのルーフデッキ。夏の羊蹄山を見ながらのBBQは最高
約14帖と特大サイズのルーフデッキ。夏の羊蹄山を見ながらのBBQは最高
6枚の大窓には高断熱のトリプルガラスを採用。サッシ部分が見えないよう納まりに配慮した
6枚の大窓には高断熱のトリプルガラスを採用。サッシ部分が見えないよう納まりに配慮した
Fさん念願の薪ストーブ。右のハシゴで登るロフトはFさんの仕事用スペースに
Fさん念願の薪ストーブ。右のハシゴで登るロフトはFさんの仕事用スペースに

家が建つニセコ町はスキー場でも知られるとおりの豪雪地帯。Fさんご夫妻は何社かで検討した結果、最終的には雪の多い地域での家づくりに実績のあるSUDOホームにお願いすることにしました。設計を担当した同社の深瀬正人さんが雪対策として採用したプランのひとつが片流れの屋根です。「東向きに屋根を下げることで朝陽の熱を効率よく利用し、雪を落としやすくしました」。屋根から落ちた雪はアプローチ横へ。玄関から道路までの除雪は業者にお願いしているため、アプローチと屋根の除雪は1度の作業で終わります。

白い壁、アイランド型などキッチンには奥さんの希望を反映。右の勝手口は庭の畑に行くときなどに使用している
白い壁、アイランド型などキッチンには奥さんの希望を反映。右の勝手口は庭の畑に行くときなどに使用している
見かけよりもずっと収納力のあるキッチン。少し高めにつくってあり長身のFさんが作業するのにちょうどいいそう
見かけよりもずっと収納力のあるキッチン。少し高めにつくってあり長身のFさんが作業するのにちょうどいいそう

実は家づくりに関して、ご夫妻の意見はことごとく合わなかったと奥さんは笑います。折衷案では中途半端になってしまう、と最終的にはFさんの意見を尊重したそう。完成したのは眺めのいいリビングとウッドデッキ、暖炉を備えたFさんの希望どおりの家。

1階のもっとも奥にご夫妻の主寝室を配置。水まわりと隣接しているのでスムーズな動線
1階のもっとも奥にご夫妻の主寝室を配置。水まわりと隣接しているのでスムーズな動線
主寝室の正面、階段下のスペースを使った洗面コーナー。ゲストを含め、みんなに使い勝手のいい動線に
主寝室の正面、階段下のスペースを使った洗面コーナー。ゲストを含め、みんなに使い勝手のいい動線に

しかし、イギリス出身のFさんは将来的には別の場所で暮らす可能性もあるといいます。その際にきちんと売れる家であってほしい。実はそんなことも考えていました。「階段を上って最初に見える景色がこれだったら、どう?」。自らが希望していた快適な暮らしが将来の財産にもなっています。

タイル部分は床暖房。長い廊下を生かしたギャラリースペースには娘さんの絵などを飾っている
タイル部分は床暖房。長い廊下を生かしたギャラリースペースには娘さんの絵などを飾っている
右側が玄関のドア。正面は土足のまま出入りができ、スキーの道具などを濡れたまま収納できる納戸
右側が玄関のドア。正面は土足のまま出入りができ、スキーの道具などを濡れたまま収納できる納戸