vol.48 自治体と市民が主役の時代へ
自治体を応援するカーボンゼローカル大賞
各地で脱炭素化に向けた取り組みを行っている地方自治体を表彰するのが「カーボンゼローカル大賞」。その記念すべき第1回目の授賞式が、先の10月28日に開催されました。受賞した自治体がそれぞれの取り組みを発表し、審査の結果、鳥取県と東京都が大賞に選出。人口が全国最小の鳥取県と全国最大の東京都がダブル大賞という、興味深い結果となりました(図3)。

第1回カーボンゼローカル大賞では、鳥取県と東京都が大賞に輝きました。
人口は全国最小・最大と好対照ですが、ともにGXを超えた高性能住宅を推進しています。

鳥取県は「NE-ST」で 健康増進&地域活性
鳥取県といえば、高断熱住宅の普及に早くから熱心に取り組んでいる自治体の代表格。「県民の増進」と「地域活性化」を目標に、とっとり健康省エネ住宅「NE-ST」を強力に推進しています(図4)。 


鳥取県は、独自の高性能住宅基準「NE-ST」を、新築戸建てのみならず、既存・賃貸・公営住宅にまで普及させるため、あらゆる取り組みを行っています。
ちなみに「NE-ST」はNExt STandardの略語で、巣(nest)の意味もかけています。まさに次世代標準の健康快適住宅にふさわしい名前でしょう。

「NE-ST」の推奨レベルは、GXの断熱等級6を超えるT-G2。さらに気密確保も必須とするなど、健康・快適な暮らしを確実に実現できる十分な性能となっています。
さらに地域活性化に向けて、地元工務店を手厚い技術支援や使いやすい補助制度によりサポート。「Re NE-ST」で既存住宅の断熱改修推進、賃貸住宅や県営住宅への「NE-ST」普及、建物性能を住宅価値に反映させる査定システム「T-HAS」など、十分な性能の家をすべての県民に届けるためのあらゆる努力を重ねています。
鳥取の奇跡を全国に
こうした取り組みのかいあって、鳥取県内では新築戸建ての5割超がすでに「NE-ST」に。まさに大賞にふさわしい「鳥取の奇跡」といえます。人口最小県であっても、熱意と創意工夫があれば、素晴らしい住宅政策を実現できることを見事に証明してくれました。県民みんなが幸せになる鳥取の成功事例、ぜひ全国に広がってほしいものですね。
東京都はゼロエミでカーボンハーフを目指す
もう1つの大賞を受賞した東京都は、2030年にCO₂排出量を2000年比で半分に減らすカーボンハーフを目標に、CO₂の7割以上を排出する住宅・建築物の脱炭素化を進めています。2025年4月から始まった住宅への太陽光発電の設置義務化は、大きな話題となりました。
東京都の省エネ政策は大規模建築物を含めた広範なものですが、住宅については「東京ゼロエミ住宅」への補助事業を推進しています(図5)。

東京都はCO₂排出量の7割以上を排出する住宅・建築物のCO₂削減に、以前から熱心に取り組んできました。
「東京ゼロエミ住宅」の水準Aは、戸建て・集合の両方にGXを超えた断熱・省エネ性能を定め、その普及を補助しています。
その水準CはZEHレベル、水準BはGXレベルですが、水準AはGXを超えたハイレベルなものです。マンションやアパートが多い東京都らしく、集合住宅の省エネ推進にも取り組んでいるのが大きな特徴です。東京ゼロエミ住宅を通じて、集合を含めた住宅の高性能化技術が開発され、全国に普及することを期待しましょう。
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