ダイニングは家の中でも、家族が一緒に過ごす時間が長い大切な場所です。LDKの中心にレイアウトされることも多いため、住まい手の好みやこだわりを強く反映させやすいスペースでもあります。
なかでも取材中についつい目を引かれるのが、ダイニングの照明。お施主さんご自身が手を尽くして探し出した、こだわりのペンダントライトを吊るしているお宅が多く見られ、インテリアとしてもとても魅力的です。そこで今回は、ダイニングの照明、特にペンダントライトを設置する際の4つのポイントをご紹介しましょう。
ポイント1:ダイニングにおける照明の役割
■料理を美味しくみせる
先日の記事「部屋ごとに賢く使い分け!電球の種類と光のタイプ」でも少し触れましたが、ダイニングの照明の大切な役割は「テーブルの上を明るく照らし、料理をより美味しくみせること」です。そのため、温かみのある電球色の電球が好んで使われます。
■インテリアとして存在感大
ダイニングの照明、特にペンダントライトは、日々の暮らしで視界に入りやすい場所に設置されます。空間デザインとのコーディネート次第では、部屋の印象に大きな影響を与えるので、テイストやフォルム、サイズ感等のインテリア性も大事なポイントです。
ポイント2:ペンダントライトを設置する位置
■ダイニングテーブルの真ん中が基本
ダイニングの照明は、どこを基準に設置すればいいのか?基本は、「ダイニングテーブルの真ん中」です。中央からずれていると空間としての見栄えがよくないですし、テーブルへの光の当たり方のバランスも悪くなります。1灯であればテーブルの中央に、複数灯であれば、テーブルの長手に平行になるように真ん中に並べます。
■便利ツールで、真ん中をキープ
照明計画の段階でダイニングの位置を決めきれなかったり、リノベーションで既存の配線を利用する場合などは、コードハンガーやペンダントサポーターといった補助器具を使うと、テーブルの真ん中に照明が来るよう調整できます。模様替えなどでダイニングテーブルの位置を頻繁に変えるようなら、ダクトレールを設置すると、柔軟に対応できますね。
ポイント3:ペンダントライトのテーブルからの高さ
テーブルから照明までの高さは「70cm前後」が標準です。あまり近いと立ち座りの際に照明に頭をぶつけたり、光が必要な範囲に届かなかったりするのでご注意を。高めにすると、より広範囲を照らせる一方で、手元は暗くなります。照明器具の購入時にコードを所定の長さに調整しておけるのが理想ですが、難しい場合は長めにしておいて、コードリールやコードアジャスターで長さを調整するという手もあります。
ポイント4:光の見え方と方向
ダイニングの照明として使えるペンダントライトの種類はさまざまですが、注目すべきは光の「見え方」と「方向」で、これはシェードをつける・つけない、またシェードの素材よって特徴が異なります。
サイズについては基本的に、シェードが大きいものほど大きな口金の電球や、複数個の電球に対応している傾向があり、明るさを確保しやすいです。シェードが小さいと使える電球のサイズが小さくなり、照らす範囲も小さくなるので、明るさの確保とインテリアとしてのバランスには注意が必要です。
■裸電球・クリアガラスのシェードの場合
電球そのままを生かしたり、クリアガラスのシェードを付けたりした場合、光はすべての方向に等しく拡散します。そのため、ダイニングテーブルというよりは、ダイニング空間全体を照らす効果がより強くなります。
■ガラス・布・紙のシェードの場合
光を和らげながら透過するのは、ミルクガラスや色付きガラスのシェードや、布や紙のシェードです。ダイニングテーブルには電球そのままの光が落ち、壁や天井にはシェードの模様や凹凸を反映したおもしろい陰影が見えたり、質感そのままの柔らかい光が照らし出されたりします。また、木でもヤコブソンランプのように薄く削いだ材を用いたシェードは、温かみのある光を透過します。
■金属・陶器・木のシェードの場合
スチールや真鍮、アルミなどの金属や、陶器、木など、光を透過しない素材でつくられたシェードは、ダイニングテーブルに光を集約して照らします。かたちによっては上部が空いていて、テーブルと天井を照らし出すものもありますが、テーブルまわりと周辺の空間の明るさのコントラストをよりはっきりとさせるのが、このタイプのシェードの大きな特徴といえるでしょう。
ダイニングでペンダントライトを使うことをお考えの皆さんは、まずこの4つのポイントをしっかり押さえて照明計画を考え、お気に入りを探してみてはいかがでしょうか。ダイニングで照明を使った実例をもっと見たい!という方は「選択肢は意外と多い!?リビング・ダイニングで使う照明の種類」「部屋ごとに賢く使い分け!電球の種類と光のタイプ」「Photo Gallery[ダイニング]」もぜひ併せてご覧ください!
(文/Replan編集部)