企画した視察ツアーで、ついに大好きなフィンランド再訪!
フィンランドに半年間滞在していたReplanスタッフがお届けする、北欧の暮らしや建築のこと。
目次
僕は2025年4月から約半年間、フィンランドのヘルシンキで暮らしていましたが、現在、再びこの大好きな地に降り立ちました!
ただし今回は個人旅行でも、自分のための滞在でもありません。札促社(Replan)で企画した「建築・まちづくり視察ツアー」のアテンド・企画担当としての再訪です。
僕たちが企画した「建築・まちづくり視察ツアー」とは?
クライアントである地域の工務店や設計事務所の皆様とともに、北欧の優れた住宅建築や都市計画、空間デザインの先進事例を現地で実際に体感し、日本の住まいづくりや地域づくりに還元できるヒントを探ることが主目的の、フィンランドを巡るツアーです。
かつて「居住者」として日常を送っていたあの街へ、今度は視察ツアーを案内する立場で戻ってきました!

到着してからの数日間は、仕事の下見や現地視察の合間を縫って、まさに五感全体でフィンランドを再吸収するような濃密な時間となりました。とりあえずは視察初日を終えた今までで、特に心に残った3つのエピソードをご紹介します。
その1|初日のヘルシンキ散策の感動と気づき
ヘルシンキに到着して、まず向かったのは緑豊かなトーロ湾(Töölönlahti)でした。朝8時の美しい晴天のもとベンチに腰かけた瞬間、「あぁ、またここに住みたい」と心から思えるほどの心地よさに包まれました。

初日の散策で一番大きな発見だったのは、「イヤホンを外したくなった」ということです。普段、日本で移動する際は常にイヤホンで音楽や音声を聞いている私ですが、ヘルシンキでは「街の音そのものを聴いていたい」と感じました。
中心部であっても人が発する音が刺さってくることがなく、穏やかな静けさが保たれているのです。世の中には「音を遮断したくなる街」と、「音を聴いていたくなる街」があるのだなと痛感しました。

さらに気づいたのは、足が勝手に進んで歩けてしまう理由です。歩き疲れたらすぐ乗れるトラムがあり、座りたくなればベンチや給水所がある。
「歩ける街づくり」とは、単に歩道を広げることではなく、人がいつでも歩くのをやめられる「逃げ場」を街に置いておくことなのだと実感しました。

その2|到着8時間後のハプニング!エスポーの島で体験した北欧流BBQ
到着早々、現地の友人へ連絡を入れたところ「父のボートで島へ行こう!」と誘われ、トントン拍子に話が進んだかと思えば、なんとそのわずか8時間後にはエスポーの海を渡っていました。


友人のご家族に連れて行ってもらった無人島には、誰でも無料で自由に使える公共の焼き台と薪小屋がぽつんと設置されていました。白樺の樹皮を剥いで着火剤にする知恵を見たときは、「これ、北海道でもやるやつだ!」と一人で膝を打ちました。
ここで楽しんだのは、豪華な肉ではなく、特大ソーセージ(マッカラ)とパンを焼くだけの非常にシンプルなBBQです。島に着いてからやることがシンプルだからこそ、自然と家族や友人とのんびり過ごす時間や対話に集中できます。


自分から一歩踏み込んで懐に入れば、どこまでも温かく迎えてくれるフィンランドの人々の人柄と、日常に溶け込んだ豊かな余白の時間を肌で感じる、最高に贅沢な体験となりました。
その3|レンパーラでのハウジングフェア視察――「背伸びしない」暮らしの提示
いよいよツアー初日!まずは参加者の皆様とともに、ヘルシンキから車で約2時間のレンパーラへ。フィンランド最大級の住宅展示会「Asuntomessut 2026」を訪問し、34棟の最新住宅を5時間半かけてじっくり見学しました。

今年行ってみて強く感じたのは、住宅が非常に「背伸びしていない」ということでした。30坪台を中心とした現実的なサイズ感と価格帯(日本円で3,000万〜6,000万円台)に抑えつつも、高い天井や吹き抜け、光を贅沢にとり込む窓、そしてフィンランドでは欠かせないサウナなど、豊かな暮らしの要素はしっかりと残されています。

さらに、住宅地の中央に公共の小中一貫校とコミュニティーセンターがあり、公園や緩やかな曲線の道路が組み合わされた街全体の計画には目を見張るものがありました。住宅建築のプロであるツアー参加者の方々の鋭い視点と議論を通じ、「誰に届けるかを明確にし、削る場所と残す場所を正しく見極める」という住まいづくりの本質を深く学ぶことができました。

とても得るものが多いハウジングフェアだったので、この様子については、また改めて詳しくご紹介したいと思います!
おわりに:経験を未来の楽しさと学びへ
到着からの数日間だけで、私の頭と心はあふれんばかりのインプットで満たされました。旅行者としてのフレッシュな感動と、かつて暮らしたからこそ持てる「再訪者」としての客観的な視点。その両方があるからこそ、街の骨格や人々の暮らしに息づく「優しさ」の理由が、よりはっきりと見えてきたように思えます。

旅はその瞬間のきらめきを楽しむだけでなく、身体に積み重なった経験が未来の楽しさや仕事への学びに変わっていくものです。
再訪してたった数日ですが、その中で気づいた
「音を聴いていたくなる街」
「人と人との対話を育むシンプルな暮らし」
「背伸びをせずに本当の豊かさを追求する住まいづくり」
は、どれも私たちが日本でこれからの豊かな暮らしや住まいを考えていくうえで、大きなヒントになるものばかりです。

「見た目」を整えることだけがデザインではありません。そこで過ごす人がどう感じ、どう生きるのか。これからも残りの滞在を通じて、この国が教えてくれる「暮らしのデザイン」をしっかりと身体に染み込ませ、自身と会社の資産として持ち帰りたいと思っています。
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