「Q1.0住宅のプロトタイプデザイン2」(1/3)

良い家を安く建てよう

近年、家を新築する人たちはやはり若い世代の人が多いそうです。30代から40代前半ぐらいでしょうか。収入もそれほど多くはなく、地方都市ならば、土地代も含めて3000万円以下の予算で、あまり大きな土地は買えないし、住宅もコンパクトな家にならざるを得ないという人たちが多いのだそうです。

日本の住宅建材は、国際的に見ても非常に価格が高く、さらに生活水準も上がり、キッチンやサニタリーの設備、内外装の仕上げ材などもある程度のレベルが要求されます。このため、住宅の価格は昔より随分高くなっています。さらに、最近の若い人たちはデザインや空間にも関心が高く、いわゆる格好良い住宅が求められています。

このような若い人たちに、私はぜひQ1.0住宅を建ててほしいと思っています。高断熱・高気密住宅がある程度普及し、暖かくて快適な住宅をつくることはそれほど難しいことではなくなりました。しかしその多くは、国の省エネ基準レベル程度の住宅が多く、快適な全室暖房をすると意外に暖房費がかかります。

この暖房費を半分以下で済ませ、快適性がさらに向上するQ1.0住宅は、これからの住宅ローンの負担を少しでも下げ、将来のエネルギー価格の上昇にも適応できます。災害時にエネルギーインフラがストップしても寒い思いをしなくて済みます。しかし、Q1.0住宅を建てるには一般の高断熱住宅に比べて、どうしてもコストが高くなります。ここに大きなジレンマがあるのです。

こうした状況を解決するために、私たちはコンパクトQ1.0住宅のプロトタイプを設計し提案していこうというプロジェクトを開始しました。新住協会員の工務店や設計事務所はこれまで多くのQ1.0住宅を建設してきました。その経験を生かし、価格がそれほど高くならず、若い人たちでも十分建てられて、デザイン・空間も豊かでレベルの高い住宅をつくろうとしています。熱性能はもちろん、耐久性や耐震性も高いレベルで実現します。

工務店はハウスメーカーに比べてデザイン力が劣るとよく言われますが、新住協の工務店は、Q1.0住宅のような省エネ住宅をつくる技術では遥かに勝っています。彼らの日頃の営業からユーザーニーズを集め、設計事務所会員の力も合わせ、いわば衆知を集めたQ1.0住宅を提案していきたいと思っています。