スキップフロアのメリット・デメリットと「狭小・変形地」の住宅の間取り8実例
Replanが教える家づくりで参考にしたいアイデアの数々。
目次
- 家づくりでよく聞く「スキップフロア」とは?
- スキップフロアの3つのメリット
- ■メリット1| 限られた空間を有効活用できる!
- メリット2| 上下につながる間取りで、視界の広がりが生まれる!
- メリット3| 段差を活用して、収納や座る場所がつくれる!
- スキップフロアの3つのデメリット
- デメリット1| 温熱環境に配慮したプランと確かな施工力が不可欠
- デメリット2| 快適な温熱環境を保つ「冷暖房計画」が必須
- デメリット3| 床面積が増える分、コストが高くなる
- 狭小・変形地に立つスキップフロア間取り8実例
- ①[約21坪] 4層のスキップフロアでつくった 街中のコンパクトハウス
- ②[約28坪] 開放感いっぱい! パノラマビューが魅力の家
- ③[約28坪] への字形とスキップフロアで実現。 ドラマチックな住空間
- ④[約20坪] LDKのスキップフロアが 広がりを感じさせる変形地の家
- ⑤[約28坪] 各部屋に光が届くよう スキップフロアの段差を利用
- ⑥ 建物を横切る大きな窓が 絶景を届ける変形地の家
- ⑦ 斜面のある三角形の敷地で、 緑豊かな景色を楽しむ
- ⑧ 台形の敷地を利用した スキップフロアの半コートハウス
最近は、地価や建築費の高騰、ライフスタイルに対する考え方や家族構成の変化などの理由で、家を小さめに建てるケースが増えています。小さな家で快適に暮らすための間取りを考えたときに力を発揮するのが「スキップフロア」です。
そこで今回はそのメリット・デメリットと、実際にスキップフロアを取り入れて豊かな住空間を実現した狭小・変形地に立つ家の間取り8つをご紹介します。
家づくりでよく聞く「スキップフロア」とは?
スキップフロアとは、その名のとおり「跳ねる」ように、床面に段差を設けてリズミカルな空間をつくる設計手法のことです。室内を立体的に使えるスキップフロアは、面積に限りがある小さな家でスペースを確保するのに効果的で、暮らし方に工夫や変化が生まれやすいアイデアです。
スキップフロアの3つのメリット
■メリット1|
限られた空間を有効活用できる!
1フロアの床面に段差を設けることで、空間を立体的に活用できます。たとえば平屋のプランで中2階をつくると1層分の床面積が増える、というとわかりやすいかと思います。
また、スキップフロアの間取りでは階段によって緩やかに空間を区切れるため、間仕切りや扉を使わずに生活シーンに合わせた居場所をつくれます。

メリット2|
上下につながる間取りで、視界の広がりが生まれる!
天井をつくらずに上下の空間をつなげたり、高低差を利用してプランできるため、狭小や変形の敷地でも開放的なプランニングが可能になります。
さらに階段による移動で、空間の見え方にも動きが生まれ、視覚的な広がりとともに暮らしの楽しさもプラスされます。間仕切りが少ない間取りは、家族の気配が伝わりやすいので、安心感もありますね。

メリット3|
段差を活用して、収納や座る場所がつくれる!
スキップフロアには、住まいの機能を充実させる側面も。特に家が小さい場合、暮らしに必要なスペースと段差を利用した収納スペースを一気につくれるのは、とても魅力的です。
また、例えばリビングと中二階のフロア同士をつなぐ階段が、大型テレビを鑑賞する格好のベンチシートとして使えるなど、間取りのアイデア次第で暮らしを豊かにできる仕掛けにもなります。


スキップフロアの3つのデメリット
デメリット1|
温熱環境に配慮したプランと確かな施工力が不可欠
スキップフロアは、一般的な間取りのプランニングとは異なり、複雑に重なる床の階層を考慮したつくりや、室内の温熱環境に配慮した設計が必要です。また、床面積が増えたり、階段の造作が必要だったりと施工の手間も増えます。
スキップフロアを取り入れた間取りでは、適切なプランニングと施工ができるつくり手に依頼することが大事です。設計・施工の依頼先を選ぶ際には、それまでの実績もしっかりチェックしましょう。

デメリット2|
快適な温熱環境を保つ「冷暖房計画」が必須
前述した「温熱環境に配慮した設計」がなぜ必要なのか?その鍵は、スキップフロアの空間構成です。スキップフロアは、「横幅」ではなく「高さ」を生かす手法。結果、間仕切りなどの壁が少なくなります。
上下にオープンな空間が増えるため、冷暖房による空気の移動=家全体の温熱環境を考えた設計が必須です。また同時に、高い住宅性能を実現し、屋内全体の温度を一定に保てる技術力のある施工業者の選定も重要です。

デメリット3|
床面積が増える分、コストが高くなる
狭小敷地や変形敷地、高低差のある土地での家づくりで特に効果を発揮するスキップフロアですが「床面積が増えることによるコストアップ」というデメリットがあります。コストアップの原因は主に2つ。ひとつは施工面積が増えた分の「建築費」のアップ。もうひとつは「固定資産税」のアップです。
ただ、スキップフロア以外の部分でコストを調整したり、建築法規を読み解いたりなど経験豊かなつくり手は、施主の負担を軽減するアイデアや工夫にも長けているので、相談して折り合いをつけながら進めるといいでしょう。

狭小・変形地に立つスキップフロア間取り8実例
①[約21坪]
4層のスキップフロアでつくった
街中のコンパクトハウス
落ち着いた住環境が人気のエリアでご夫妻が見つけたのは、わずか13坪の小さな敷地。その条件の中で心地よく暮らすために設計されたのは、廊下的空間を最小限に抑え、スキップフロアを駆使した広さ約21坪、3階建ての住宅です。
屋内は、建物のほぼ中央に設けた階段によって、ペントハウスを含む4層分がスキップフロアで緩やかに連続。吹き抜けにした2階の中庭(プランタースペース)に落ちる陽射しが、各層にまんべんなく光を届けます。通常の階段の踊り場がそれぞれの居室を兼ねている、アイデアに富んだプランです。







②[約28坪]
開放感いっぱい!
パノラマビューが魅力の家
「家を建てるなら高台に」と決めていたご家族が見つけたのは、前面道路から3.5mも下がる高低差のある土地。しかも平坦な敷地面積は約36坪しかないという制約のなかで、建築家が採用したのがスキップフロアです。
道路に面した高い層を玄関のある2階に。ダイニング・キッチンからリビングへと下るスキップフロアの間取りにすることで、この場所の決め手となった見晴らしの良さをめいっぱい堪能できます。リビングの下には子ども室、さらに階段を数段下がったところに寝室・クローゼットと、主な部屋をすべてスキップフロアで構成。コンパクトで高低差がある敷地の難しさを感じさせないお住まいです。





③[約28坪]
への字形とスキップフロアで実現。
ドラマチックな住空間
ご家族が希望したのは「木」をテーマとした、ゆったりとした暮らしを楽しめる「ほっこりする家」。先の事例と同じく高低差のある敷地に建つ狭小住宅ですが、こちらは建物をへの字形にプランし、スキップフロアを採用することでドラマチックな住空間を実現しました。
玄関から奥へと進んだ先で曲がる動線上でスキップする床面と、敷地の傾斜に沿うように流れる屋根なりの天井が、空間に広がりとリズムを生み、生活動線が劇場さながらのインパクトです。






④[約20坪]
LDKのスキップフロアが
広がりを感じさせる変形地の家
Rさんの家が立っているのは、最大4mの高低差がある変形地。1人暮らしでそれほど広いスペースを必要とせず、建築コストを抑えたいという希望で設計されたのは、2階に暮らしの機能を集約し、上部に広いロフト、1階は寝室とウォークインクローゼットのみという広さ約20坪のコンパクトな住宅でした。
生活の中心となるLDKに、開放感と機能性を持たせるために一役買っているのが、ダイニング・キッチンとリビングを緩やかにゾーニングするスキップフロア。空間のメリハリを生むとともに、高さのある段差は、友人たちが集ったときのベンチ代わりにもなっています。





⑤[約28坪]
各部屋に光が届くよう
スキップフロアの段差を利用
Iさんご夫妻が購入したのは、札幌市内の約32坪の角地でした。建てたのは、約28坪の2階建て。住宅密集地であっても、室内に自然な明るさが得られるよう、周囲の目線を巧みにかわしながら大小の窓を配し、外光や天候の変化によって多様な景色や色合いが感じられる住空間を実現しました。
その効果を増幅しているのが、空間の各所のスキップフロアです。玄関とLDK、LDKとフリースペース、フリースペースと子ども室など、それぞれの場所をつなぐ小さな高低差と吹き抜けの組み合わせが、心地よい暮らしの場をつくり上げています。






⑥
建物を横切る大きな窓が
絶景を届ける変形地の家

風景が気に入って目をつけた土地は、周辺でひとつだけ残っていた変形地でした。これを逆手に取ってプランされたのは、美しいポプラ並木が望めるスキップフロアの間取り。1階はカーポートと寝室、バスルームなどでまとめ、主な生活空間となるLDKを2階に配置。吹き抜けの階段まわりをいくつものスキップフロアで構成し、建物内をぐるりと回遊するような動線としました。
特等席となるダイニング・キッチンからの眺めはまさに絶景。間仕切りのない2階のダイニングの大きな窓は、変形地をなぞるように斜めに設けられ、室内を横断するように陽射しが行き届きます。スキップフロアと変形敷地によって生まれた、絶景を楽しむプランです。




⑦
斜面のある三角形の敷地で、
緑豊かな景色を楽しむ

北東側に大きなマンションが建ち、およそ3割を急斜面が占める三角形の変形地。この住宅では、このマイナス条件をスキップフロアによって克服しています。プランは屋根からの落雪を考慮してLDKを地階から持ち上げて、そこから半階下げて玄関と水まわり、さらに半階上がったところを寝室と子ども部屋とするスキップフロアの構成です。
敷地の西側にある斜面へ向かって流れる勾配屋根によって、リビング・ダイニングからの景色は劇的なものになっています。さらに敷地形状に合わせた多角形の間取りによって、部屋のどこの窓からも西側斜面に広がる木々の緑が目に飛び込んでくるように考えられています。



⑧
台形の敷地を利用した
スキップフロアの半コートハウス

アカシアの木々が隣接する敷地は、台形な上に高低差もある土地。プランはこの変形地をうまく利用し、緑の環境を室内に取り込むことをポイントに進められました。緑の眺めを最大限に引き出すため、リビングは2階に配置し、家の形は台形の敷地をなぞるようカーポートと庭を挟むようにV字形としています。
さらに高低差を生かして、LDKから子ども部屋へ通じる動線や、玄関から長いホールを抜けた先をスキップフロアにして、室内で視線の移ろいも感じられる間取りとしています。変化に富んだ床面とV字形建物によって、外と内どちらの景色も軽快さと楽しさに満ちたものになっています。




敷地が狭小だったり、変形していたり高低差があったりしても、スキップフロアのある間取りを取り入れることで、暮らしの空間はとてもリズミカルな楽しいものにすることができます。「利便性はいいけど、この土地で大丈夫かな?」と迷っている方は、ぜひこの記事のスキップフロアのプランを参考に、専門家へ相談してみてはいかがでしょうか?
■関連記事: 平屋ならでは!スキップフロアのアイデア集
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