最近、特に都市部では、住宅に適した広さの土地を探すのが難しく、地価も高騰しています。土地が見つかったとしても住宅街の中の狭い敷地だと「この環境で快適に暮らせるかな…」と心配ですよね。
「スキップフロア」は、そんな狭小住宅の強い味方!高さや奥行きの有効利用というメリットを最大限に発揮できます。今回はそんなスキップフロアを取り入れ、豊かな住空間を実現した狭小住宅の実例をいくつか、間取りや写真とともにご紹介しましょう。
[約21坪]
4層のスキップフロアでつくった
街中の狭小住宅
落ち着いた住環境が人気のエリアでご夫妻が見つけたのは、わずか13坪の小さな敷地。その条件の中で心地よく暮らすために設計されたのは、廊下的空間を最小限に抑え、スキップフロアを駆使した広さ約21坪、3階建ての住宅です。
屋内は、建物のほぼ中央に設けた階段によって、ペントハウスを含む4層分がスキップフロアで緩やかに連続。吹き抜けにした2階の中庭(プランタースペース)に落ちる陽射しが、各層にまんべんなく光を届けます。通常の階段の踊り場がそれぞれの居室を兼ねている、アイデアに富んだプランです。


[約28坪]
開放感いっぱい!
パノラマビューが魅力の家
「家を建てるなら高台に」と決めていたご家族が見つけたのは、前面道路から3.5mも下がる高低差のある土地。しかも平坦な敷地面積は約36坪しかないという制約のなかで、建築家が採用したのがスキップフロアです。
道路に面した高い層を玄関のある2階に。ダイニング・キッチンからリビングへと下るスキップフロアにすることで、この場所の決め手となった見晴らしの良さをめいっぱい堪能できます。リビングの下には子ども室、さらに階段を数段下がったところに寝室・クローゼットと、主な部屋をすべてスキップフロアで構成。コンパクトで高低差がある敷地の難しさを感じさせないお住まいです。


[約28坪]
への字形とスキップフロアで実現。
ドラマチックな住空間
ご家族が希望したのは「木」をテーマとした、ゆったりとした暮らしを楽しめる「ほっこりする家」。先の事例と同じく高低差のある敷地に建つ狭小住宅ですが、こちらは建物をへの字形にプランし、スキップフロアを採用することでドラマチックな住空間を実現しました。
玄関から奥へと進んだ先で曲がる動線上でスキップする床面と、敷地の傾斜に沿うように流れる屋根なりの天井が、空間に広がりとリズムを生み、生活動線が劇場さながらのインパクトです。


たとえ敷地が狭くてもスキップフロアの取り入れ方次第では、空間を立体的に使って開放的で明るい家をつくることができます。「少し狭くても、利便性がいいところに家を建てて暮らしたい!」とお考えの方は特に、この狭小敷地でのスキップフロアのプランを参考にしてみてはいかがでしょうか?
(文/Replan編集部)