「熱交換換気を検討する」(1/3)

気密化して電気で機械換気をする矛盾

高断熱住宅は、気密化によって隙間風を防いでいます。それでは住宅が換気不足になるので、電気で時間機械換気をしています。省エネルギーのために気密化したのに、エネルギーを使って換気不足を補うのには、納得できない人も多く、初期には気密化をほどほどにして、中気密で行くべきという人たちもいました。しかし、ちょうど良い中気密住宅をつくるのはとても難しく、高気密化するしかなかったのです。

住宅の気密性能は、床面積あたりの相当隙間面積(C値:㎠/㎡)で表します。図1に、このC値と換気回数との関係を示します。一般住宅はC値が10~15㎠にもなり、図の赤色の線で見ると換気回数が0.8~1.0回/hもあります。もっと悪い住宅も非常に多く、在来木造住宅は、一般に1.5回/hの換気回数で熱損失を計算することになっています。私が提案するQ1.0住宅では、C値を1.0㎠以下にすることにしています。換気回数で0.1回以下になります。

図1 住宅の気密性能と自然換気回数(風速3m/s、郊外の住宅地)
図1 住宅の気密性能と自然換気回数(風速3m/s、郊外の住宅地)

図2に住宅の自然換気の要因を示します。冬の暖房期間、室内は暖房で外気より温度が高く、温度差は20度以上にもなります。温度の高い空気は軽くなり上昇しようとする力を生じます。熱気球と同じことです。住宅の隙間は開口部まわりや、住宅全体の床・壁・天井の互いにぶつかるところに多くあります。図で住宅の壁に空いている穴は、この隙間を表しています。室内外の温度差で、室内の空気は住宅の上部の隙間から抜けていき、その分下部の隙間から入ってきます。これを温度差換気と呼びます。

また、外は常時風が吹いていて、この風圧で風上から外気が入ってきて、風下からは室内の空気が出ていきます。これを風圧換気と呼びます。この二つが同時に起こり、住宅の自然換気が起こっているのです。したがって、外気温が低く風が強いほど隙間風が多くなり、冬は北西から季節風が吹きますから、住宅の北西側の1階床付近から隙間風が多く入り、2階の南東側の窓などの隙間から出て行くことになります。よく2階の南の窓の結露が多くなるのはこの換気の流れが原因です。

図2 住宅の隙間からの自然換気
図2 住宅の隙間からの自然換気