先日の記事「何がおすすめ?暖房方法の種類いろいろ」では、よく見る暖房方法として、エアコン暖房と床暖房、薪ストーブについて、それぞれのおすすめポイントも踏まえつつ、その特徴をご紹介しました。
それに加えてもうひとつ、私たちが取材先でよく見る暖房方法があります。「温水パネルヒーター」による暖房です。そこで今回は、温水パネルヒーターのメリットとその魅力についてご紹介します。
温水パネルヒーターのメリット
ボイラーからの温水が各部屋にあるパネルに送られ、その輻射熱で部屋と人を暖めるのが温水パネルヒーターの一般的な仕組みです。
輻射熱による暖房のメリットは、風を感じることによる不快さがないこと。緩やかにムラなく暖めるのが得意なので、エアコンやファンヒーターと違って室内が冷え切ってしまうと暖めに少し時間がかかりますが、温風が直接当たるのが苦手な人には温水パネルヒーターはおすすめですね。
またホコリも巻き上げることもなく、音も出ないので、部屋は快適で静か。そして、温水パネル本体は30年以上も使うことができ、仕組みもシンプルで、耐久性にも優れているという点も大きな特徴です。
![窓があるところに設置することで、外からの冷気を防ぎ、室温が多少低めでも暖かく感じられる。結露の予防にもなる](https://www.replan.ne.jp/wp-content/uploads/2019/10/P02.jpg)
![家の中央に配置したキッチンの壁全面に温水パネルヒーターを設置。真ん中から住まい全体を緩やかに暖める](https://www.replan.ne.jp/wp-content/uploads/2019/10/P04.jpg)
ひとつの暖房方法に頼るのではなく、複数の暖房方法を組み合わせることで、より効率よく使われるケースも多いです。たとえば、温水パネルヒーターのほかに、広いリビングを素早く暖めるためのエアコンをつけたり、炎も楽しめる薪ストーブを入れたり。温水式の床暖房とパネル暖房の併用もよく見られます。
![主暖房としてリビングと個室にパネルヒーターを設置し、補助暖房で薪ストーブを導入したケース](https://www.replan.ne.jp/wp-content/uploads/2019/10/P06.jpg)
![28帖の広いリビングと室内を床暖房がくまなく暖める。お施主様が設備関係の仕事をされていることもあり、補助暖房として最新の温水パネルヒーターを設置された](https://www.replan.ne.jp/wp-content/uploads/2019/10/36593-01-10-min.jpg)
色やデザインを楽しみ、機能性も充実
「何がおすすめ?暖房方法の種類いろいろ」で、暖房機器は空間のデザインやランニングコスト、ご家族のライフスタイルなどとも密接につながっているとお話しましたが、温水パネルヒーターも同様です。ここでは温水パネルヒーターならではの楽しみ方・使い方がわかる暮らしの場面をいくつか紹介したいと思います。
薪ストーブのように炎や音を楽しむことはできませんが、温水パネルヒーターも目に見える暖房機器。さまざまな色や形の製品がつくられています。壁紙と色を揃えて統一感のある空間に仕上げたり、温水パネルヒーターだけ特別な色を選んで空間にアクセントをつけるなど、好みに合わせていろいろな演出ができます。
![家の他の空間に合わせて落ち着いた雰囲気にしつつ、ミント色のパネルヒーターでポイントをつけた](https://www.replan.ne.jp/wp-content/uploads/2019/10/PD01.jpg)
![窓際に置かれた黒いパネルヒーターが、アイアンの階段と相まってスタイリッシュに](https://www.replan.ne.jp/wp-content/uploads/2019/10/PD07-e1570172693787.jpg)
さまざまな形がある温水パネルヒーター。機能性も備えたデザインのものなら毎日の使い勝手も良くなるでしょう。パネルとパネルの間にフックをつけてちょっとした小物を飾ったり、軽い衣服もかけたり。また、ユーティリティや浴室でタオルがけの用途としても使うことができます。
![玄関ホールのコート掛けを兼ねたパネルヒーターは、見せる収納にして空間に豊かさをプラス](https://www.replan.ne.jp/wp-content/uploads/2019/10/PD03-e1570176123387.jpg)
![洗面台の横に設置された、タオルハンガーとしても使えるパネルヒーター。暖房の熱でタオルもすぐ乾く](https://www.replan.ne.jp/wp-content/uploads/2019/10/PD04.jpg)
![ユーティリティの窓際に、モスグリーンの温水パネルヒーターで柔らかいアクセントを。タオルをかけられるハシゴ型デザインのもので機能性も確保した](https://www.replan.ne.jp/wp-content/uploads/2019/10/P07.jpg)
間仕切りの役割も
縦長に設置できるのも温水パネルヒーターならでは。天井の高さまでパネルを伸ばして、そのまま壁のように使うこともできます。スリムなルーバー状のパネルなら、程よい間仕切りになりますよ。形と色の組み合わせで、空間デザインの幅も広がります。
![2階階段ホールにつくられたオープンな書斎コーナー。スリムなデザインのパネルヒーターがさりげなく書斎コーナーと階段を仕切る](https://www.replan.ne.jp/wp-content/uploads/2019/10/PD05.jpg)
![玄関ホールとリビングを仕切る大型のパネルヒーター。ドアの開け締めなど外気が入ってくる玄関でも、パネルヒーターの暖房効果で暖か](https://www.replan.ne.jp/wp-content/uploads/2019/10/P08.jpg)
前回紹介したエアコン、床暖房、薪ストーブから、今回の温水パネルヒータまで。それぞれの暖房方法を見てみると、暖を取るという目的は同じでも、効率のよさ(エアコン)、目と耳で楽しめる(薪ストーブ)などといったアピールポイントは、それぞれまったく違っていることがわかります。
2つの記事で紹介した各暖房方法の特徴を踏まえて、導入コストや将来のメンテナンス性、ランニングコスト、安全性などもしっかり考慮して、自分だちに合った賢い暖房方法を見出してみてはいかがでしょうか。
(文/Replan編集部)
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