先日の「円形やおむすび型も!ダイニングテーブルの形いろいろ」では、ダイニングテーブルについてご紹介しましたが、ダイニングの居心地や使い勝手の良さを得るためには「チェア」についても吟味する必要があります。そこで今回も引き続きインテリアコーディネーターの本間純子さんに、ダイニングチェアについてお話しいただきます。


「重さ」や「背もたれのつくり」にも注目

ダイニングチェアはインテリアとして存在感がある家具で、デザインが気になりますが、機能性も重要です。家族みんなで使う頻度が高いダイニングチェアは、テーブルの下を掃除するたびに動かす必要もあります。1日に何度も持ち上げる動作をするので、「よいしょ」という声が漏れない程度、片手で動かせるくらいの重量感のチェアを選ぶといいでしょう。素材やデザインで、重さはかなり違います。

また、背もたれに何かとっかかりがないと、チェアの出し入れや持ち上げに不便さを感じることも…。背もたれに手をかけやすいデザインのチェアは、持ちやすく軽く感じやすいため、スムーズに動かせます。

背もたれの上部がグリップしやすいと、チェアを引いたり持ち上げたりしやすい
背もたれの上部がグリップしやすいと、チェアを引いたり持ち上げたりしやすい
持ち上げやすい重量感も、使い勝手のポイント
1脚あたりの重量感も、使い勝手のポイント

食後もダイニングでくつろぐなら「アームチェア」

私たちの人間の両腕は意外に重く、7~10kgあるといわれています。アームチェア(肘つき椅子)はアーム(肘)がその腕の重さを受けて支えてくれるので、長時間座っていても疲れにくく、ダイニングでくつろぐことが多いご家庭におすすめです。

腕をなぞるようなカーブが支えになって、長時間座っていても疲れにくいアームチェア
腕をなぞるようなカーブが支えになって、長時間座っても疲れにくいアームチェア

前面までしっかりとアームが伸びている方が姿勢が安定しますが、立ち座りがしにくくて不便に感じることもあります。その使いにくさを解消するためか、最近はアームが短めで、肘が少し乗るぐらいのデザインも増えています。

このお住まいでは、通常のアームチェアと短めのアームチェアを組み合わせて使っている
このお住まいでは、通常のアームチェアと短めのアームチェアを組み合わせて使用
背もたれとアームが一体化したような機能のチェア
背面を囲むようなアールの両端に肘を少し置けるだけで、座り心地は意外と違う
背面を囲むようなアールの両端に肘を少し置けるだけで、座り心地に差が出る

立ち座りの動作のしやすさを優先するならアームのないチェアが便利ですが、この短めのアームがついたチェアも、比較的スムーズに動けます。座り心地の良さと使い勝手の良さのいいとこ取りの短めアームチェアは、立ち上がる時にアームで身体を支えられることから、シニア世代にも人気です。

アームが短い分スペースができるうえ、少し突き出たアームが支えなって安定して立ち座りしやすい
アームが短い分スペースができるうえ、少し突き出たアームが支えなって安定するため立ち座りしやすい

座面の素材選びは、何を優先するかで検討を

チェアはとにかくデザインが豊富。デザインコンペも多く、毎年たくさんの魅力的なチェアが誕生しています。自分好みのものに出会うと嬉しいですが、せっかくのお気に入りも汚れや傷がついてしまうとガッカリです…。

特にダイニングチェアの座面は、食べ物や飲み物で汚れがちです。 一般的によくあるチェアの座面の素材は「ビニルレザー(合成皮革))」「レザー(革)」「ファブリック(布)」「木」「プラスチック(合成樹脂)」で、それぞれに特徴があります。

ダイニングチェアはデザインはもちろん、座面の素材もバリエーションが豊富
ダイニングチェアはデザインはもちろん、座面の素材もバリエーションが豊富

例えばビニルレザーの張り地は、飲み物をこぼしても拭き取りやすくて気楽に使えますが、長時間座っていると太ももの裏が蒸れやすく、年月とともに劣化で座面がひび割れて残念な状態になることもしばしば。本革のレザーは、高価ではありますが使い込むほどに味わいが増して座り心地も良くなり、耐久性にも優れます。

レザーはときどき皮革製品専用のクリームを塗ると、汚れを防ぎ、色艶も良くなって長持ちさせることができる
レザーの座面はときどき皮革製品専用のクリームを塗ると色艶が良くなって長持ちさせられる

ファブリックは、選べる価格帯の幅が広くて座り心地も良い一方で、食べ物や飲み物をこぼすとシミになりやすい。木やプラスチックはメンテナンス性が良くデザイン性に優れたものも多いけれど、長時間座るとなると疲れやすいという面があります。

軽くて取り回しがしやすい英国アンティークのベントウッドチェア
座面が低く、背もたれもクッション性があって長時間でもくつろぎやすいファブリックを生かしたチェア

座面が脱着可能な布製のカバーリングタイプを用いる、防汚加工を施した張り地を選ぶ、硬い座面の上にはクッションを置くなど、一長一短なそれぞれの座面の特徴を踏まえ、デザインも含めて優先順位をつけながら検討したいところです。

■主な座面の素材ごとの特徴

  耐久性 メンテナンス性 座り心地
ビニルレザー
レザー
ファブリック
プラスチック

ダイニングセット選びでは
チェア・テーブルの幅・高さに注意!

せっかく選んだダイニングチェアが、ダイニングテーブルに合わなかったら、悲しいですよね。ダイニングセットを選ぶときに注意したいのが、「チェアの幅の合計寸法」が「 テーブルの脚内寸法(脚と脚の間の寸法)」にゆとりを持って収まることです。特にアームチェアは幅が広いので気をつけましょう。

■寸法を測るときのワンポイントアドバイス■

家具の寸法は最も出ているところを測ります。アームチェアだとほとんどの場合、アームが左右に最も出ているところが幅の寸法。奥行きは背と脚を比較して、最も出ているところまでを測りますが、壁に付けてみると出ている部位が分かりやすいです。

テーブルとチェアのサイズのバランスによっては、テーブル内にチェアがうまく収まらないことがあります。ダイニングセットを買う際には、「チェアをテーブルに入れたときに、向かいのチェアの座面や脚とぶつからないか」、「動線を邪魔することなくスペースにゆとりを持っておけるか」などを、あらかじめ確認しましょう。

チェア2脚がダイニングテーブルの脚の間にきれいに収まっていて、周囲の動線にもゆとりがある

またアームチェアの場合、アームの先が天板や幕板に当たってしまうことがありますので、アーム高と天板や幕板までの寸法の確認を忘れずに。アームの先端は傷つきやすいので、チェアの背とテーブルがぶつからないよう、握りこぶし1つ分ほど空けて収めます。背もたれが木製の場合も同様です。塗装の剥がれや素材の傷みを防ぐためにも「少しゆるめ」がきれいを保つ秘訣です。

アームがダイニングテーブルの天板の下に収まる絶妙なサイズ感
アームがダイニングテーブルの天板の下に収まると、家具の傷みを防ぐことができる
アーム部分が天板の下に入り、かつ幕板にもぶつからない、理想的なサイズ感
アーム部分が天板の下に入り、かつ幕板にもぶつからない、理想的なサイズ感

家族の大切な団らん空間であるダイニングは、どのような家具を選ぶかも快適さに大きく関わってきます。今回ご紹介したことを参考に、自分たちの暮らしや住まいに合ったダイニングセットを見繕ってくださいね。

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