「限られたスペースをいかに上手に使えるようにするか」。それは、家づくりの永遠のテーマでしょう。一つの空間に複数の可能性を持たせ、暮らし方の変化に柔軟に対応できるよう造作すれば、現在も将来も無駄がなく機能的な住まいをつくれます。今回は、スペースを有効利用した造作のアイデア10選をご紹介します。


アイデア1
3つの機能を持つ造作ボード

最も眺めの良い場所に設けたL字型の大開口の下には、テレビボードともつながる造作ボードが設置されています。下部は収納で、天板は観葉植物のディスプレイとベンチを兼ねるという機能性の高さが、ミニマムな空間に広がりを与えます。経年変化を楽しむため、建物と造作にはカラマツとシナベニヤを採用しています。

ボードはもちろん、テレビの上の壁面収納も造作で、カーテンの収まりも考えて設計されている

アイデア2
階段下にプレイルームを造作

階段下のスペースをプレイルームするという造作のアイデアも。小さいお子さんにはぴったりのサイズで、リビングに広がった玩具や絵本も、すぐに片付けられます。造作棚を設置しているので、子どもが大きくなってもそのまま収納スペースとして使い続けることができます。

箱型階段の下につくったプレイルームは、3歳の娘さんのお気に入り。壁面には家族の写真を飾れるニッチも

アイデア3
階段下の小上がりスペース

こちらも階段下を有効活用したケースです。階段下に畳敷きの小上がりスペースを設けた住まいで、この小上がりはオープン階段なので圧迫感も少なく、斜め向かいのキッチンからも目が届きやすいので、子どもの遊び場や昼寝にぴったりです。大量に収納ができるので、リビングのスッキリを保つという面でも大活躍します。

子どもはもちろん大人も使える広さを確保してある

アイデア4
有孔ボードで自由自在に収納

スキーやクライミングなどに使用する道具がぎっしりと置かれた1階の小部屋。デスクや収納棚を造り付け、壁面には有孔ボードを張ることで、限られたスペースでも物がきれいに整理整頓できるようにしています。有孔ボードはディスプレイとしても効果的。目的に合わせて仕上げが自由に選べるのも造作の魅力です。

有孔ボードはあとからDIYで追加することもできるので、手軽に造作収納の幅が広がる

アイデア5
隠し扉で出入りできる書斎空間

床から天井まで造作書棚を設けた、コンパクトながらも大量の本を収納できる図書スペースが、家族共用のお楽しみ空間となっているこの住まい。図書スペース入り口の本棚が隠し扉になっており、押し開けると書斎が現れるという、遊び心たっぷりの仕掛けが面白いです。

ここから本を取り出して、その日の気分に合う場所で読んでいるそう
まるで秘密基地のような佇まいの書斎

アイデア6
ワークスペースも兼ねるキッチンカウンター

多目的に利用できるアイランド型の作業台を設けた、収納たっぷり造作キッチン。主な調理スペースの他に、サブの作業台として使えるカウンターをL字で設えました。このカウンターは下が引き出し収納になっており、一部は椅子を置けるよう空けています。ちょっとしたワークスペースとしても利用できるよう、合理的につくられています。

家族で料理を楽しむことを想定し、通路幅を広く取ったキッチン
キッチン作業とワークスペースとしての同時利用も問題ない余裕のある広さ

アイデア7
回遊動線上の収納計画

ダイニング・キッチンと水まわりを回遊動線で結んだ使い勝手のいいプランの住まい。その導線上にクローゼット収納を設け、どこからでも短い動きで物を出し入れできるようにしました。この収納部分は水まわりの中が見えづらくなる目隠しの役割も併せ持っています。

ストック品の保管をはじめ、掃除機など大きめの生活家電もスッキリ収納できる

アイデア8
クローゼットを100%活用する内部収納

クローゼットの中は多くの場合、上部のみ板が付けられているケースが多いと思います。この住まいの場合、個室のクローゼットすべてにおいて、デッドスペースになりがちな奥にも棚を造作しました。ハンガーに服をかけても邪魔しない幅なので、小物類をすっきり収納できるのが嬉しいです。

奥側に収納する引き戸なので開けっ放しで使用するのもOK

アイデア9
壁一面のファミリークローゼット

夫婦の寝室や2つの子ども部屋に隣接し、水まわりへの通路上にあるクローゼットです。一見すると壁に見えますが、実は一面天井までの大型収納で、家族それぞれにスペースを割り振ることができ、これひとつでほとんどの収納がまかなえます。収納が1ヵ所でまとまるので、物の管理面でも効率がいいです。

ほぼ壁というシンプルさが住まいのデザインに一体感を与える

アイデア10
多目的に使えるロフト空間

この住まいは三角屋根の平屋。屋根の形状で生まれた広いスペースの一部にロフトを設えました。程よいお籠り感のあるロフトには、読書のために造作した本棚をはじめ、季節物などの収物空間、ベッド代わり設けた小上がりなど、さまざまな役割を持たせています。

20年ほど前に友人がつくってくれたテーブルを置いて、セカンドリビングとして活用
ロフトの小上がりは、高校の寮に入っている息子さんが帰ってきたときに寝起きする場所でもある
ロフトの小上がりは、高校の寮に入っている息子さんが帰ってきたときに寝起きする場所でもある


今回の記事と、以前紹介した「自由なデザインで料理をもっと楽しく!キッチンの造作アイデア6事例」、「機能もデザインもバッチリ!「洗面台」の造作、7つのアイデア」に出てくるさまざまな造作のアイデアを参考に、合理的ながらあなたにぴったりなデザインを考えてみてください。

(文/Replan編集部)