サウナの本場、フィンランドのおすすめサウナをご紹介!

公開日:2025.6.11 最終更新日時:2025.6.11

こんにちは!フィンランド滞在から早2ヵ月を迎えた札促社営業部スタッフのTです。

日本ですっかり定着した感のある「フィンランド式サウナ」。最近は「ホームサウナ」を入れている住宅も増えつつあります。サウナ愛好者の皆さんの中には、ただ汗を流すだけでなく、心身のリフレッシュを求めてお気に入りのサウナ施設に定期的に通っている方も多いのではないでしょうか。僕自身もそのひとりですし、実際、サウナがフィンランドに興味を持つきっかけの一つでした。

せっかくフィンランドに滞在するのだから、本場のサウナを体験せねば!ということで、これまでに僕が訪れたフィンランドのサウナやサウナ事情をご紹介します!

ヘルシンキ最古の公衆サウナ
「Kotiharjun Sauna」

ヘルシンキ最古のサウナ。歩道沿いに「ととのいスペース」があって、みんなでのんびり外気に当たって涼んでいる
ヘルシンキ最古のサウナ。歩道沿いに外気浴スペースがあって、みんなでのんびり外気に当たって涼んでいる

「Kotiharjun Sauna」は1928年にオープンしたというヘルシンキで最も古い公衆サウナ。マンションの地下にあって、男女に分かれて裸で入ります。建物の下に薪が熱源の大きなサウナストーブがあり、サウナ内は座席が上へ広がっている構造です。

「Kotiharjun Sauna」の入り口
「Kotiharjun Sauna」のエントランス

フィンランドにおいてサウナは「おおらかなコミュニケーションの場」なのだと実感しています。新しく入ってきた人が「何回ロウリュしようか?」と尋ねると、先に座っていたであろう人が「2回で!」「3回いっちゃおう!」みたいなノリで軽やかに返す。そんなやり取りが自然に交わされているのがとても心地よかったです。

誰でもウェルカムな雰囲気で地元の人たちとも自然と交流ができ、フィンランド式サウナの何たるかを体感できるサウナでした。

ヘルシンキ海に面したサウナとレストランの複合施設
「Alaas sea pool」

ヘルシンキ市内にあってアクセスが良く、気軽に訪れることができるサウナとレストランの複合施設「Alaas sea pool」。ヘルシンキ海に面した絶好のロケーションなのですが、まず建物が美しくて、ついつい見とれてしまいます。

ヘルシンキ海に面した絶好のロケーションにあるサウナ施設
ヘルシンキ海に面した絶好のロケーションにあるサウナ施設

この施設には、計5つのサウナがあります。屋内に混浴サウナが2つ、屋外に混浴と男女別の3つのサウナ小屋。それぞれ温度やサウナストーブも異なるので、好みや気分次第で選ぶことができます。

まず一番広そうなサウナに入ってみると、室温は80℃台、湿度も基本的には40〜60%前後とそこまで高くはありません。ただ、頻度高く投げ入れられるセルフロウリュの効果が半端じゃない。特に3分に1回くらいのペースで険しい顔のおばちゃんの手で投げ入れられるロウリュがめちゃくちゃ気持ちいいい。それゆえに出る汗の量も多くて、持続的なロウリュの熱に頭がクラクラする感覚に。アロマは入っていないみたいでしたが、木の香りが心地よかったです。

屋外に立つサウナ小屋。ウッドデッキには外気浴用のチェアがたくさん並んでいる
屋外に立つサウナ小屋。ウッドデッキには外気浴用のチェアがたくさん並んでいる
写真奥の海沿いのエリアには25℃くらいのプールがある。普通に泳ぐ人もいれば、エアロビクスをする人もいてみんな楽しげな様子
写真奥の海沿いのエリアには25℃くらいのプールがある。普通に泳ぐ人もいれば、エアロビクスをする人もいてみんな楽しげな様子
室内と室外を繋ぐ休憩スペースも北欧デザインでとてもスタイリッシュにコーディネートされている
室内と室外をつなぐ休憩スペース。北欧デザインの家具や内装でスタイリッシュにコーディネートされている

シャワーで汗を流したら、外気浴。この日の気温は15℃ほどで、本来なら少し肌寒いはずですが、サウナの効果で寒さは感じられません。ぴかぴかと輝く海に囲まれて、かもめのさえずりをBGMに外気浴専用チェアに寝そべって空を見上げていると、夢か現実か、自分か宇宙かの境が分からなくなるような感覚になり、これまでのサウナライフでも感じたことのない、至極の気持ちよさを体験できました。

ちなみにフィンランドでは、基本的に水風呂を介さずにサウナから外気浴で心を整えるのがポピュラーなスタイルのようですが、ここには25℃台の温水プールと水温1桁の海水プールがあって、冷水による水風呂効果も楽しめます。

併設されているレストランでは食事はしませんでしたが、優雅なランチタイムが過ごせそうな素敵な雰囲気でした。

施設内にあるレストランの様子
施設内にあるレストランの様子

サウナの街・タンペレにあるフィンランド最古の公衆サウナ
「Rajaportti Sauna」

「サウナの首都」とも呼ばれる街タンペレ(Tampere)にあるフィンランド最古とされる公衆サウナ。聞いたところ、110年以上前からあるらしいです。

サウナ好きなら1億回(!)は見たことがあるであろう老舗サウナの外観
サウナ好きなら1億回(!)は見たことがあるであろう老舗サウナ「Rajaportti Sauna」の外観
エントランスへのアプローチ
エントランスへのアプローチ

脱衣室もいい雰囲気
脱衣室もいい雰囲気
ドクロマークはフィンランド語でたぶん「サウナ内では嗅ぎたばこ絶対禁止」と書かれている
ドクロマークはフィンランド語でたぶん「サウナ内では嗅ぎたばこ絶対禁止」と書かれている

訪問した日は平日にもかかわらず19時頃で大にぎわい。サウナ室内は1階が洗い場、2階が座席とセパレート式になっていました。ここは煙突のないサウナで、薪を燃やして室内を温めるフィンランド伝統のサウナである「スモークサウナ」。これは当時から変わらないそうです。

一度のロウリュで室内はかなり温まります。座席が2階にあることもあってけっこう熱くなりますが、それがまた気持ちいい。サウナ後は外のベンチでゆるりと休憩するのですが、皆が思い思いの時間を過ごしていて、まさにフィンランド式サウナの原点たる自由が感じられました。

サウナを出て、湖にダイブ!
「Rauhaniemi Sauna」

サウナの街・タンペレにあるナシ湖。その湖畔にあるサウナです。おそらく最大30名以上が入れそうな特大サイズのサウナ室と、20名程度が入れるサウナ室の2つがあって、ともに男女混浴でした。ちょうど夕暮れのタイミングだったこともあって混雑はしていましたが、とはいえ列をなして並ぶほどではなく、スムーズに楽しめました。

ナシ湖の湖畔にある「Rauhaniemi Sauna」
ナシ湖の湖畔にある「Rauhaniemi Sauna」
夕暮れ時で、多くの人たちがサウナを楽しんでいた
夕暮れ時で、多くの人たちがサウナを楽しんでいた

このサウナで最高なのは、水風呂代わりに湖へダイブできるところ。これまで海に飛び込んだことはありましたが、フィンランドでの湖ダイブは初。水温はひと桁でしたが、サウナでほかほかに温まった体には問題なし。大きな岩の上で寝そべって休みながら、「これぞフィンランドの大自然…」と一人その幸せをかみしめていました。

サウナでアツアツになった体で湖にダイブできるのがここの魅力
サウナでほかほかになった体で湖にダイブできるのがここの魅力

さまざまなムーバブルサウナが集結!
「Helsinki Sauna Vision 2025」

5月17日に開催された「Helsinki SaunaVision 2025」にも行ってみました。ユーロビジョン開催に合わせてヘルシンキ中心部Töölönlahti(Oodi図書館近く)で開かれた特別なサウナイベントです。会場には、多種多様な「ムーバブルサウナ(移動式サウナ)」が集結。朝10時にはすでに長蛇の列でした。基本的には事前予約制でしたが、当日でも柔軟に対応してもらえたのが印象的でした。

車で運べるサウナから、車そのものがサウナになっているものまで、個性豊かなサウナを見て体験できるフィンランドらしいイベント
車で運べるサウナから、車そのものがサウナになっているものまで、個性豊かなサウナを見て体験できるフィンランドらしいイベント

1時間半という見学の制限時間の枠の中で、約10種類もの個性豊かなサウナを自由に見学し、体験。1人用の極小サウナから10人規模のものまであり、それぞれに異なる湿度や香りを楽しめました。来場者は各地でサウナ活動をしている熱量高めな人たちばかりで、イベントならではの開放感や活発なコミュニケーションも魅力的。本場フィンランドらしいサウナ文化の一端を垣間見ることができました。

 

フィンランドにおけるサウナとは?

最後に、心の真ん中にズシンと響いた、よく僕が一緒にサウナへ行くフィンランド人の友人の言葉を紹介します。

「サウナは、フィンランド人にとって欠かせないものなんだ。昔はアパートの部屋にシャワーがなかったから、地下などにある共同サウナで汗を流していた。日本の銭湯と似ているよね。みんなが日常的に使っていて、会話の場にもなっていたし、とにかく自由な空間だった。夏になると、湖や海のそばのサウナが最高だよ。終わったあとにマッカラ(ソーセージ)を焼いて、ビールを飲んで、夕陽を眺めながらバーベキュー。 サウナに行くのはフィンランド人にとって当たり前のこと。でも、友達と一緒に話しながら入る時間は、いつだって特別。また一緒にいろんなサウナに行こうね!」<日本語が堪能な友人の名言より(一部抜粋)>

フィンランドの人々にとってサウナとは、「人と人とを自由に優しくつなぐ場所」。「フィンランドのサウナってどんな感じだろう?」と、少しでも気になっている方はぜひ一度、現地で体験してみてほしいです。今まで知らなかった魅力に気づけるかもしれませんし、日本のサウナの良さも改めて感じられるはずです。

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