菊澤章太郎さん×芦野優作さんの「熱源」を考えるクロストーク!YouTubeで公開中

公開日:2025.10.28 最終更新日時:2025.10.23

家づくりの最前線で活躍するプロを訪ね、これからの家づくりにあらかじめ知っておきたい考え方や基礎知識をうかがう取材シリーズ。

Replan北海道の記念すべき150号の特別記念企画として、道内を拠点とする工務店と建築家計4名による、3つの動画をReplanのYouTubeチャンネルで公開しています。

第1弾は、「エネルギーの選択」。ご登場いただいたのは、札幌エリアで太陽光発電パネルを採用したZEHの施工実績が多い(株)キクザワの菊澤章太郎さんと、旭川エリアで薪ストーブ+土間暖房の家づくりを提案している(株)芦野組の芦野優作さんです。

「熱源選び」は家づくりにおいて、住んでからのランニングコストや、暖房機器の選択にも関わる重要なポイント。

地域工務店としてお施主さまと関わる中で得た経験や、それぞれのお立場から、住宅におけるエネルギーについて考えるところや、家づくりの際の熱源の選び方などについて語っていただきました。

また、クロストークの最後には、他の対談者の方や観覧していた大学生からの質問タイムを設けました。動画には収録されていない質問タイムのやりとりを、一部この記事でご紹介します!


■質問者:TAO建築設計 川村さん
□回答者:芦野さん

Q.薪ストーブを入れる際、プランの制約があると考えていますか?

休日の午後にはカフェのように心地よい2階ホールのカウンターで、窓の外を眺めながらお茶の時間を楽しむことも

平屋でも2階建てでも問題ないと考えていますが、熱効率を考えると2階建ての場合、「吹き抜け」は必要ですね。2階建てだと、けっこうメリットがあると思います。一番のメリットは2階に暖房機器を入れなくて済むことでしょうか。壁面にパネルヒーターを付ける必要がないので、部屋を広く使えます。

Q.寝室にも個別の暖房はなくて問題ないですか?

コンパクトで落ち着いた雰囲気の寝室は、2階の一番奥に配置。室内が暖まりすぎないよう、薪ストーブの季節はあえてドアを閉じて室温を調整している

寝室は、寝ていない時間にドアを開け放っておけば暖気が入りますし、ドアを閉じてもアンダーカット(換気のための隙間)から熱が室内へ流入するので寒くはならないです。

高性能住宅で薪ストーブを使うとかなりしっかりと暖まるので、むしろ「寝室は少し冷えていたほうがいいと」、薪ストーブを使っている間はあえてドアを閉じておく方も多いですね。

Q.換気はどうしていますか?

仕組みをシンプルにしたかったので、シーリングファンは組み込んでいなくて、基本的には24時間換気の仕組みで暖かい空気を1階から2階へ循環させるよう設計しています。

■質問者:北海道大学大学院 勝木さん
□回答者:芦野さん

Q.薪ストーブ暖房の家は、夏場の空調はどうしていますか?

日が暮れると、薪ストーブの炎が部屋の中で一段と存在感を増す。大きな窓の横には、薪ストーブを照らすためのブラケットライトを付けた

私たちの場合、補助暖房として1階にエアコンを設置するケースが多いので、夏はそれを除湿・冷房として使ってもらっています。

2階にはエアコンがない状態ですが、24時間換気で常に2階にこもる熱を2階から排出し続けているので、1階のエアコンによる冷気が2階に引っ張られて、暑さを緩和しています。今のところ、「2階にエアコンを追加設置してほしい」という連絡は来ていないですね。


地域や工務店によって「エネルギー」や「熱源選び」に関する考えや取り組みはさまざまで、「正解」は一つではありません。ぜひ動画を視聴いただき、そんな個々の考えてに触れてみてくださいね。

(文/Replan編集部)

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