ヘルシンキで満喫。良質で楽しい「ヴィンテージショップ」巡り

公開日:2025.10.26 最終更新日時:2025.10.26

フィンランドに半年間滞在していたReplanスタッフがお届けする、北欧の暮らしや建築のこと。

ヘルシンキには、ヴィンテージの品々を扱うショップが驚くほどたくさんあります。週末の蚤の市やマーケットももちろん魅力的ですが、街に点在するさまざまなお店を1軒ずつ巡るのもまた、記憶に残る体験で楽しいものです。

今回は、無数に店舗があるなかでも品ぞろえの豊かさや独自性に惹かれたお店をピックアップしてご紹介します。旅行や長期滞在中のちょっとした寄り道の参考になれば嬉しいです。

※情報は2025年8月時点です

◎momono

デザインミュージアムのすぐ近くに、こぢんまりとたたずむ赤レンガのショップ。「ヴィンテージ✕コンテンポラリー」を軸にしたセレクトが印象的で、店内はまるで小さなギャラリーのよう。ガラス越しに垣間見える空間だけでも、思わず足を止めたくなる美しさです。

タピオ・ウィルカラやカイ・フランクといった巨匠によるガラス作品や器はもちろん、若手デザイナーによる現代的なプロダクトまで幅広くそろっているので、何かを目的に来なくても、ここに来ればほしいものが見つかる、そんなお店です。

また、日常使いができるアイテムが多いのもmomonoの特徴のひとつ。「雑貨」というより、「デザイン性の高い日用品」が数多くあるので、どこに置いたら素敵かな…など妄想しながら見て回ると楽しいです。

またアイテムの多くには日本語の説明書きも添えられていて、フィンランド語や英語ができない日本人でもじっくりと楽しめます。スタッフのおじさま方も商品について優しく説明をしてくれますよ。

住所:Annankatu 12, 00120 Helsinki(デザインミュージアム近く)
営業時間:月~金 11:00–18:00/土 12:00–16:00
定休日:日曜
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◎Retoronomi

ヒエタラハティのマーケットからほど近い人気ヴィンテージショップ。無数のアイテムが店内に所狭しと並べられ(積み上げられ?)、地震来たらどうするんやろうと心配になるくらいですが、Retoronomiほど良質で物量の多いショップはなかなかないと思います。

商品はiittala(イッタラ)やArabia(アラビア)のガラスや陶器のテーブルウェアが中心。個人的にはオイバ・トイッカの「イッタラバード」が棚にずらりと並ぶ姿が、美術館さながらの迫力で印象的でした。

ちなみにフィンランド滞在の最後に、ここで一羽お迎えするつもりでいましたが、他で運命の出会いを果たしてしまいました…。

Retoronomi Instagram投稿より

ここは日本人にもかなり人気のショップで、10人くらいのお客さんが全員日本人、というタイミングもあるほど。商品の入れ替わりが早いので、ビビッときたアイテムはすぐに手に入れるのがおすすめです。出会いは本当に一期一会ですので。

住所:Lönnrotinkatu 43, 00180 Helsinki
営業時間:月曜 14:00–19:00/火~木曜 12:00–18:00
定休日:金・土・日
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◎Koti Store Helsinki

Design Districtの外れ、住宅街の一角にある小さなセレクトショップです。ふらっと散歩しているときに見つけて立ち寄ったのですが、店内には丁寧に選び抜かれたアイテムが並び、静かで落ち着いた空気が流れていました。

マリメッコの古着やファブリック、センスの良いハガキなど、ほかの店舗ではあまり見かけない小物も並んでいて、コンパクトながら結構見応えがあります。テイストの異なるブランドであっても、色調や素材の選び方に統一感があり、ライフスタイル全体をこの店の世界観で整えてみたくなるような、不思議な魅力にあふれるお店です。

常連さんらしき方もおられて、地元で長く愛されていることも伝わってきました。やっぱりそういうローカルのお店が間違いないんですよね…。街からも近くてアクセスは抜群なので、ぜひ足を運んでみては。

住所:Fredrikinkatu 35, 00120 Helsinki(Design District内)
営業時間:月~金 11:00–18:00/土 11:00–16:00
定休日:日曜
Instagram

◎Kruuna

ヴィンテージ家具と照明の専門店でありながら、空間そのものがひとつの作品のように完成されている、名店中の名店です。店舗の1階にはArtekを中心とした家具や照明、地下にはガラス・陶器・テキスタイルなど、貴重な名品がところ狭しと並んでいます。

僕が見た数多くのショップのなかで、Kruunaの商品は最も希少性が高く、他で見たことのないアイテムもたくさんあって、ひとたび店内に足を踏み入れただけでその雰囲気に思わず言葉を失ってしまうほど。

店主の審美眼が隅々にまで感じられ、品ぞろえの希少性もさることながら、空間全体に宿る静けさと緊張感に思わず息を呑みました。アイテムの多くは実際に座ったり触れたりできるため、購入を検討している方にとっては大きな魅力だと思います。

また店内のところどころにヴィンテージ雑貨が散りばめられていたり、今では手に入らないテキスタイルがあったりと、気が抜けません。限定品で希少価値の高いものが取りそろえられていますし、チェアやソファに関しては実際に座ることもできます。小物類も直接手に取ることができます。これはたまらない。

こういうお店なので、時間の管理にはくれぐれもお気をつけください…!本当に危険です。1時間なんてあっという間に溶けていきます。急ぎのときではなく、時間がたっぷりあるときにぜひ行ってみてください。

住所Maurinkatu 8-12, 00170 Helsinki
営業時間:要確認
HP
※Googleマップなどには一応、日月休み、その他は12〜18時ごろまでオープンしていると書いてありますが、普通に開いていないときもあったりするのでご確認ください

まとめ

ヴィンテージアイテムの何が良いのか。品物自体の魅力はもちろんですが、自分が生きていない時代にさまざまな商品が生まれてきたことを想像して、ビビッとくるものを手に取る、その瞬間にあると個人的には思っています。

「これは何年代の物だから価値がある!!」という数字上の価値ではなく、当時限定のデザインだったり、もう今は買えないものだったりと、その物が存在した時間と歴史が宿っているからこそ、価値があるのではないでしょうか。

魅力的なショップは、他にもまだまだあります。もし「ここもおすすめ!」というお店をご存じでしたら、ぜひ教えてください。

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