その後の暮らしから

住宅が建ってから15年以上が経ち、2014年に久しぶりに訪問すると、植木が大きくなり、内装は木材の色が変わって落ち着いた雰囲気になっていました。竣工の時とほとんど変わらないインテリアの中で生活してくださっていることに、ある種の感動を覚えたことを記憶しています。

息子さんも独立して近所に家を新築されました。こちらはしっかりQ1.0住宅として300㎜断熱の最新の手法で設計しましたが、比べてみると20年の間に私たちの技術も進歩していることを実感しました。設計の過程で、いろいろなプラン案の中から、この家とほとんど変わらないプランを選択されたことにも、また驚きました。小さい頃から育った家の影響は大きなものがあるようです。

Oさん夫妻だけが住むこの家はもう広すぎるのかもしれません。しっかりユニバーサルデザインを施してあるつもりで、万が一車いすの生活になった時はエレベーターを設置するスペースも予定してあります。末長くこの家で暮らされることを願っています。

現在の「秋田の家」。庭木が生長し、外観の雰囲気は深みを増した
現在の「秋田の家」。庭木が生長し、外観の雰囲気は深みを増した