UA値・Q値と暖房灯油消費量との関係

最後に、図5にUA値・Q値と暖房灯油消費量との関係を示したいと思います。この図は、連載第18回で平屋の住宅と総2階建ての住宅について、同じ断熱仕様でも暖房エネルギーが大きく異なるとして紹介したデータですが、同じデータで、図のように別な集計をしてみました。

図5 UA値・Q値と暖房灯油消費量
図5 UA値・Q値と暖房灯油消費量

横軸にUA値・Q値を取り、縦軸には20℃全室暖房時の灯油消費量を取ったグラフです。建設地は札幌です。住宅は図6に示すように、総2階建ての4×4間の32坪の住宅と、同じ面積の平屋建ての3パターンです。この3つは外壁面積が異なります。さらに平屋建て住宅ではロフトや吹き抜けを設けて天井が高くなることが多いため、平均天井高を3mとしたモデルを加えて、合計6パターンです。

図6 図5の計算対象住宅 総2階建て32坪と平屋建て32坪の平面パターンを図に示します。平屋建ては天井高2.4mと3.0mの2種類で、計6パターンを計算しています。
図6 図5の計算対象住宅
総2階建て32坪と平屋建て32坪の平面パターンを図に示します。平屋建ては天井高2.4mと3.0mの2種類で、計6パターンを計算しています。

UA値を見ると総2階建てが最も大きく、平屋建ては少し小さくなっていますが、灯油消費量は総2階建てが最も少なくなっています。しかもその差はとても大きくなることが分かります。これに対してQ値を見ると、きれいに直線状に並び、灯油消費量と比例関係にあることが分かります。これは開口部の面積をまったく同じに設定しているためで、ばらつきはほとんどありません。

UA値にかかわらず、本当の省エネ&快適住宅を建ててほしい

先日、とある住宅会社○○のCMを見てびっくりしました。お笑い芸人が「○○が国の最高の省エネ基準を達成した」というのです。しかもUA値の数値も表示していました。ローコストで売っている○○は高断熱住宅にはなっていないと認識していましたので、少し嬉しい気持ちと、一方で、省エネ基準でUA値をクリアしたとしても、本当にその断熱性能が発揮される工法に変えたのだろうか、また開口部で稼いで断熱の厚さをケチった構成になってはいないかと、多少心配な気持ちになりました。

国の基準ですから、UA値が幅を利かせることはしょうがないとしても、本当の省エネ快適住宅は、UA値で決まるとは限らないことを皆さんに十分認識してほしいと思っています。