実際のQ1.0住宅を 構成したときの暖房エネルギー

図2および図3の各項目を組み合わせて、Q1.0住宅を構成してみたときのQPEXによる計算結果を図4に示します。120㎡のモデルプランで床面積当たりの暖房エネルギーが、省エネ基準とUA値がぴったり同じになる住宅に比べて、1~2地域では55%以下、3地域では50%以下になる住宅を、私たちはQ1.0住宅レベル1としています。レベル2は45~40%以下、レベル3は35~30%以下、レベル4が25~20%以下です。

図4 図2~3の各部の断熱仕様を組み合わせたQ1.0住宅レベル-1~4の住宅の仕様

1~2地域では省エネ基準がかなり厳しく、全室暖房時の暖房エネルギーが、一般住宅よりも少なくなるため55%と半分より少し多めにしています。これでも一般住宅の半分以下で全室暖房が可能になります。3地域では、省エネ基準住宅では全室暖房をすると、一般住宅より暖房エネルギーが多くかかります。本当はレベル1で45%位にしたいのですが、ハードルが高くなるので50%としています。  

札幌では、外壁は省エネ基準見なし仕様のままで、開口部はペアガラス、換気は熱交換換気を採用するだけでほとんどQ1.0住宅レベル1が実現できます。外壁210㎜とし、開口部をトリプルガラスとすることでレベル3が実現できます。私たちはこのレベル3を実現したい目標としています。  

3地域では、外壁155㎜の断熱とし、床天井の断熱材も増やすことが必要になります。それ以外は1~2地域とあまり変わらないようです。  

レベル1に比べて、レベル3の住宅は断熱材の厚さが住宅全体で厚くなり、したがって、室内の温度が同じ20℃ぐらいでも、表面温度が0.5~1℃ぐらい高くなり、これによる快適性向上が、体感で分かります。また暖房エネルギーの削減効果もはっきりと財布で認識できますから、できればこのレベル3を目標とし、図2~3を参考にQ1.0住宅の仕様を検討して、快適で省エネな住宅を実現できることを切望しています。