戸建住宅には欠かせない「階段」。ただ上り下りするだけの存在だと思っていませんか?「意外と知らない?「階段」の名前やかたち」でもお伝えしたように、さまざまな形があります。形がさまざまということは、その分プランもバリエーションが生まれるということ。そんな階段にこだわった実例をご紹介します。

Case1:視線の変化を楽しむ

階段のかたちは中2階を経由する「かね折れ階段」、つくりは蹴込みのない「透かし階段」という合わせ技の階段。かね折れ階段にすることで、家周辺の緑をさまざまな角度から楽しめます。また透かし階段にすることで視線の抜けを持たせて、空間の軽やかさを演出。外と内のどちらに対しても、視線の変化が楽しい階段です。

内装と統一されたブラックの手すりと踏み板の木質が、空間のトータルデザインにも一役買っていますね。

Case2:光と風をゆるやかにつなぐ

ゆったりとした角度で上下階をつなげている「折り返し階段」で、蹴込み板のない「透かし階段」です。手すりもシンプルにつくられているので、各階の光が空間全体に行き渡るような明るさと、家の中の気配も互いに伝わるような文字通り「風通しのいい階段」です。こちらも室内で使われる素材と合わせたデザインが気持ち良いですね。

Case3:コンパクトハウスの味方

24坪のコンパクトハウスでひときわ目立つ存在の「らせん階段」。省スペース化を考えるプランニングには欠かせない形の階段ですが、この住宅では半らせんの形状として、デザイン的にも楽しげな存在になっています。スチールの素材感が、木質の床や天井と白い内装に映える、秀逸な階段プランです。

Case4:足にやさしいカーペット敷き

1階から2階へまっすぐつながる「直階段」ですが、愛犬のために勾配をゆるやかにして、滑りにくいように踏み板と蹴込み板にカーペットを敷いたケースです。カーペットはこの住宅のリビングに使っているものと同じで、カラーコーディネートも考えられています。やわらかな素材感も楽しめる、足触りの良い温かな階段です。

いかがですか? このように建物の上下階をつなぐ役割だけでなく、デザインや形もさまざまな階段をとりまくプランニング。後編もアイデアいっぱいの階段が登場します。乞うご期待ください!

(文/Replan編集部)

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・家づくりの名脇役。階段のカタチいろいろ【後編】
・意外と知らない?「階段」の名前やかたち