細長い総2階建て住宅

そこで、提案したいのは細長い総2階建て住宅です。道路から見た間口を2.5~3間で奥行を長く取ります。こうすれば住宅の横にカーポートや外部収納、アプローチを配置でき、北側の空地がなくなり、庭が広く取れます。方位が振れていますから住宅や庭への日照も有利になります(図-4)。敷地の間口がもう少し広ければ車が2台も入ります。カーポートとアプローチの屋根の上はデッキとして使え、将来の増築やサンデッキなども設けることができそうです。

図-4 配置図
図-4 配置図

特におすすめなのが間口2.5間の細長住宅です。木造住宅の構造スパンは一般的には2間を基準としますが、集成材の梁を使用すれば2.5間スパンを基準にすることができます。長手方向は普通に2間スパンを基準にすると、建物の両端に2間×2.5間の10畳間が取れ、広めの居間や寝室とすることができます。この部屋を縦2つに分ければ細長い子ども部屋が2室配置できます。私たちは2.5間×6~8間の延床面積30~40坪のプランをいろいろつくりました。アプローチは建物の真ん中のゾーンから入るように設計するのがコツです。この真ん中のゾーンに1階は玄関、階段、台所・食堂などを配置し、2階にはサニタリーや納戸を設けます。台所と食堂を並べるとちょっと狭いのですがその分はちょっと出っ張らせれば良いのです。

細長い形は格好の良い住宅になり、カーポートやアプローチが住宅の外観に変化を与えます。あまり見かけないのですが、設計してみると中々つくりやすいパターンであることがわかります。