断熱改修しても部屋が暖まりにくい原因は?[NPO住宅110番]

公開日:2025.11.2 最終更新日時:2025.11.4

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Q 断熱改修しても部屋が暖まりにくい原因は?

質問者/岐阜県・maki
記事No.10765/カテゴリ:構造・建材

築40年の家の寒さに耐えられず、リビングの断熱改修リフォームをしましたが、なかなか部屋が暖まりません。断熱改修工事として、床下にコンクリートを打ち、床下、壁、天井に断熱材を入れました。窓、勝手口も断熱性能が高いものに交換しました。業者からはリフォーム前にエアコンで十分暖かくなると言われましたが、部屋が暖まりにくく、特に足元が寒いです。

原因は隙間風ではないかと考えています。窓が結露することがなくなったので断熱はある程度できていると思いますが、ドアの隙間風対策がされていません。この部屋には引戸が3箇所、開戸が2箇所ありますが、隙間が多く見られます。

リビングだけを断熱改修したため、ドアの隙間から入ってくる風はかなり冷たく感じます。家全体を断熱改修するのであれば、ドアの隙間が多少あっても問題ないと思います。しかし今回のように一部の部屋のみ断熱改修をした場合、気密性をあげるためにも、ドアの隙間をなくすべきだと思いますが、ドアの隙間があることは一般的なことなのでしょうか。また隙間風以外にも原因があるのでしょうか。ご回答お待ちしております。

A:回答者/一級建築士事務所(株)北工房 代表取締役 栃木 渡

お住まいのお宅を拝見しておりませんので、なんとも言いようがないのですが、40年前の本州の建物とすれば、相当に隙間だらけ…というより、住宅断熱の立場から言えば、何も処置がされていないと推察します。

断熱材を厚くするのも大事なのですが、それ以上に、ご賢察の通り、隙間を無くすことの方が重要だったりします。いくらダウンジャケットを重ね着しても、前がはだけたままであれば、これはもうダウンの枚数には関係なく寒いですよね。薄いウィンドパーカー1枚でも、前のチャックを閉じ、袖口を閉じていればそれなりに暖かい(寒さは防げる)と思います。

厄介なことに、住宅の隙間というのも、直接肌に感じる、ドアの隙間はもちろんなのですが、壁内などにある隙間が、家全体の断熱性能の観点からは大事だったりもします。前段の例えで言えば、ウィンドパーカーではなく太編みのセーターになるでしょうか…。風が無ければ暖かいのですが、一旦風が抜けると、何も着ていないに等しいですよね。

北海道でも、「断熱改修」に関しては、施工法はケースバイケースで、工事も相当に経験を積んだ人間が対応しないと効果が出ません。窓を交換されたのは賢明だと思います。

一昔前二昔前の北海道では、ドアの隙間にテープ状のスポンジを貼ったりして、隙間風対策としました。現在の断熱気密の考え方からすると、計算上はほとんど意味がありませんが、少なくとも「気流」として冷気を感じにくくなるという点で改善できるかもしれません。ホームセンターなどに売っているかもしれませんので、DIYとしてやってみてはいかがでしょうか?

質問者より

ご回答ありがとうございます。いただいた御意見を参考にリフォーム業者に相談したところ、扉の隙間風対策をしてくれるそうです。断熱改修で部屋自体は暖かくなったので、隙間風の冷気を直接感じなければ、快適に暮らせそうです。お忙しい中、ありがとうございました。


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