Q1.0住宅との熱性能の比較

建物の断熱は、1階ブロックの外壁と基礎がXPS(B3)100㎜、2階木造外壁がGW200㎜、木造屋根吹込GW265㎜、窓は木製サッシに最新のトリプルガラスを入れたU値1.0〜1.2の高性能サッシという構成で、Q1.0住宅として十分な仕様です。

矩計図
矩計図

QPEXで計算してみると、建設地点を石狩として、暖房エネルギーは灯油換算で971ℓ(8.2ℓ/㎡)と、省エネ基準住宅の10.5ℓ/㎡より約20%減となっていますが、Q1.0住宅では5.8ℓ/㎡以下が目標ですからだいぶ多くなっています。Q1.0住宅では、暖房エネルギーを減らすため大きく3つの手法を提案しています。

①熱交換換気を採用する
②窓の高性能化と日射取得を増やす
③断熱の厚さを予算の範囲で厚くする

①については、この住宅は換気が第3種のため、これを熱交換換気に変えると、灯油消費量は5.66ℓ/㎡となり、ほぼQ1.0住宅になります。寒冷地では熱交換換気の効果が高く、約30%も減ります。次の設備更新時には是非熱交換換気の採用をすすめます。

②については、窓は十分高性能ですが、日射取得が少なくなっています。敷地の南側が空地で町内の行事などが行われるため、南側の窓が少なくなっているのが原因です。建物をもっと北に寄せ、南側の遮蔽は塀に頼り、建物としては南に大きな窓を取れば10~20%ぐらいは暖房エネルギーが削減できますが、ここはまさに設計の勘所ですから私の口を出すところではないでしょう。

③については、最近のQ1.0住宅の基礎断熱では、外周部だけではなく床下地面全面を断熱する方向で技術開発が進行中です。これを採用すると約15%削減できます。

ブロック住宅の意匠とこれから

私の設計したブロック住宅でも、荒谷先生の主張に同調して内装はブロックあらわしとしてきました。外断熱のコストアップを吸収するためもあったのですが、素材を見せることにデザインのこだわりを持っていました。しかし、久しぶりに見ると多少違和感を持ちます。居間や和室のブロック壁は珪藻土を塗るなど、ブロックを見せない仕上げでも良かったのではと感じてしまいました。住宅のレベルが昔より遥かに上がっているということも影響しているように感じます。

この住宅を見て、ブロック住宅の将来に大きな可能性を確信しました。大きな熱容量を生かしたQ1.0住宅の設計をやってみたいという思いがとても強く残ったものです。