「Q1.0住宅のプロトタイプデザイン3」(1/2)

堀部さんとの対談

堀部「断熱・気密・パッシブデザインによって住まい手の方が喜んでくれ、一段と設計の楽しさを実感した」

2017年11月中旬、ジャパンホームショーで、新建新聞社の企画によって、堀部安嗣さんと私との対談がありました。今、最も人気の住宅建築家に初めてお目にかかり、しかも1時間の対談ということで、とても緊張しました。最初に、各々が10分ほどのプレゼンをしてから、お互いに質問し合う形で進行しました。

堀部さんから「3年ほど前、自分の建築の魅力はそのままに断熱・気密の性能をもっと高めることができるのではないかと思い始めた。そうした設計を実践してみると、その分、住まい手が喜んでくれることがわかり、一段と設計の楽しさを実感した」という趣旨の発言があり、とてもうれしく感じました。高断熱の住宅の設計手法について、制約ではなく設計の自由度を高め、魅力的な住宅を設計することを可能にし、より施主の満足度を高めることができるといってくれたのです。

これは、同時に単に高断熱省エネ住宅だけではダメで、やはりレベルの高い住宅設計、デザインを前提に高断熱手法を取り込むことが必要ともおっしゃっている訳で、私たちのQ1.0住宅プロトタイプデザインを進める上でとても大事な言葉だと受け止めました。

堀部さんのダメが出た2.5間×6間プロトタイプ

連載第10回でご紹介した2.5間×6間のプロトタイプの平面図を対談の直前に、堀部さんに数分見ていただきました。

一目見るなり、30秒で「このプランはダメだね。4間×4間のほうがずっと良いプランができる。ダイニングスペースまわりが狭苦しい」とのコメントに、かなりショックを受けました。議論するだけの時間もなく、こちらからの説明は一切なしの状況でしたので、私にはショックだけが残りました。このプランは狭い敷地を有効に使って庭を広く取りたいパターンでしたが、駐車スペースを2台分確保したため、その点では説得力のないプランになっていました。

そこで今回、新たに配置図を書き直してみました。車は1台または縦に2台とし、建物を北側道路に寄せ、敷地の間口を5間から5.5間の想定に変えてみました。連載第5回の主張に合わせてみたのです。やはり、このほうが2.5間×6間の細長総2階建て住宅の良さが表現できていると思います。ついでに、姑息ながらダイニングスペースまわりも少し広げています。

図1 2.5間×6間プロトタイプ修正案
図1 2.5間×6間プロトタイプ修正案

この設計のポイントは、下の見どころマップをご覧ください。連載第10回でご紹介した道路側に車2台分のスペースを取った、南側の庭が狭いプランです。図1とは上下が逆になっています。これは札幌の設計事務所の丸田絢子さんがつくってくれたもので、彼女もプロジェクトチームに参加してくれています。

図2 2.5間×6間プロトタイプ 見どころマップ(修正前の案)
図2 2.5間×6間プロトタイプ 見どころマップ(修正前の案)