NPO住宅110番」は、住宅雑誌Replanが長年にわたって育ててきたインターネット上の家づくりのための「世論の場」です。住まいの悩みに、住宅建築の最前線にいる専門家のみなさんが回答しています。この記事では同WEBサイトに寄せられた皆さんからの投稿・アドバイスを抜粋(一部修正)しReplan誌面に掲載したものをさらに厳選してお届けします。

Q 落雪

質問者/長野県・はし
記事No.9691/カテゴリ:工事ミス・トラブル

地元の業者で新築して5年。冬は降雪が多い地区となります。2年目の冬に2階の屋根より落雪が有り1階の屋根の瓦が割れました。この年は特に降雪も多かったので疑問も持ちませんでしたが昨日またも同じ場所で落雪により瓦が割れました。新築と同時に太陽光発電を設置、その下の瓦には雪止めが設置されてますがそこで雪が一旦止まっている間に融けたり凍ったりしている間に固い雪の塊になっていくように思われます。その後に塊が落雪し瓦が破損します。

多発するこのような場合に業者の責任は無いのでしょうか。補修費用や仮に一階の瓦をトタンに改修する場合の費用はすべて施主持ちなのでしょうか。設計の責任などはないのでしょうか。よろしくお願いいたします。

A:回答者/(株)福地建装/HQ住宅研究所 ファース本部 福地 脩悦

とても深刻で難しい質問でもあります。時系列で設計段階から太陽光発電の計画があったかは、大きな要点となりそうです。太陽光パネルを設置する場合は、その地域の積雪状態などを考慮した設計プランが必須となります。設計プランが決まり、家の施工過程において質問者の意向により、太陽光パネルを設置した場合は、設計者および施工者の責任を問うことは困難だと思われます。

添付図面だけは、雪が固まる要因など構造的な課題を判断することができません。「雪止めで止まった雪が溶けて凍って塊」になるようですが、雪止めを外したら解決できるのかも判断することができません。

建造物が後日に設計不具合だと思われる事象が生じても設計者に責任を負わせることは、過去の事例からとても困難だと言えます。施工工務店さんを通じ、設計士、瓦屋さんなどと相談し対応策を講じる必要がありそうです。質問者も一定の費用負担を負う覚悟で臨むべきと推察されます。


▶ほかにもこんな質問があります。興味のある方はこちらもどうぞ。
屋根の軒の出について
家を減築し(特に地下)、冬寒くない家にしたい。
暖房能力 等

▶▶その他の工事ミス・トラブルの相談については、こちらをご覧ください。
NPO住宅110番[工事ミス・トラブル]カテゴリ最新の記事一覧