【新築・リノベ】事前準備が大事。失敗しない「飾り棚の設計」とは?
Replanが教える家づくりに必要な基本、あれこれ。
目次
- 1 キッチンの飾り棚:美しさと実用を両立させる
- ①「飾り棚」は「見える収納棚」にあらず
- ②耐荷重を考え、安全対策を十分すること
- ③コンロの近くへの設置は制限がある
- ④「手入れのしやすさ」も考える
- 2 リビングの飾り棚:空間の「フォーカルポイント」にする
- ①お気に入りのアイテムが映えるシェルフを取り入れる
- ②視線の高さや側面を意識する
- 3 失敗を防ぐ!「照明」と「コンセント」の事前計画
- ①「部屋の照明」と「飾り棚の照明」をセットで考える
- ②「ここにコンセントがあれば……」の後悔を、未然に防ぐ
- 4 「飾り棚」の設置と寸法の基本
- ①棚の取り付けには「壁下地」が必須
- ②棚の「奥行き」は物の大きさに合わせて
- ③雑貨・アートの「収納場所」を近くにつくる
SNSやインテリア誌で見かける、おしゃれなキッチンやリビングの飾り棚。「わが家にも素敵なギャラリースペースをつくりたい!」と憧れて設置してみたものの、いざ暮らしてみると「何を置けばいいのか分からない」「なんだか生活感が出てごちゃごちゃしてしまう……」と頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか。
実は、飾り棚を美しく使いこなすには、コツがあります。
大切なのは、
- 家づくりの段階で行う「設計(ハード面)」
- 暮らし始めてからの「飾り方(ソフト面)」
の2つのステップをしっかりと押さえること。

そこで今回はその2つの視点から、インテリアコーディネーターの本間純子さんに、キッチンとリビングにおける失敗しない「飾り棚(造作)の設計」と「ディスプレイのルールとコツ」を教えていただきます。
本記事は設計時の注意点についてまとめた「飾り棚(造作)の設計」編です。
わが家ならではの「お気に入りの空間」を育てるヒントとして、ぜひ参考にしてみてくださいね。
まず大前提として、飾り棚を造作したい場合は「プランニング」の段階で、どこにどんなふうに棚をつけたいか、希望を伝えておくことが失敗しない第一歩です。もちろん後付けもできますが、最初から棚をつくることを想定しておくと、納まりがよく、空間としてより美しく仕上げられます。
飾り棚を「つくってから後悔しない」ために、新築・リノベーションの設計段階で必ず検討しておきたい基本を解説します。
1 キッチンの飾り棚:美しさと実用を両立させる
①「飾り棚」は「見える収納棚」にあらず

キッチンは、毎日多くの時間を過ごす場所。LDKのレイアウトによっては、常に視界に入ります。そこにお気に入りの絵皿やガラス器、キャセロールなどが飾られていたら、気持ちよく家事や調理がこなせそうです。
キッチンの飾り棚は「役割の意識」が大切です。「飾り棚」は「見える収納」にあらず。
スペシャルな空間として「インテリア性が高いお気に入りだけを置く」を徹底すると、見栄えの良いディスプレイコーナーになります。設計時に置きたい物の「サイズ」や「数量」がイメージできていると、よりきれいな飾り棚になるでしょう。
②耐荷重を考え、安全対策を十分すること

インテリア性を考えると、厚みが薄い棚板は軽やかで上品な印象になり、厚みが増すほどにどっしりとして、カジュアルな印象になります。一方で、薄い棚板は耐荷重が小さいので、鋳物の鍋(例えばSTAUB)など重いものは置けません。
置くものによって棚板の仕様(厚み・長さ・幅、ブラケット(棚受金物)のサイズ等)が変わるため、設計の時点で何を置きたいかを伝えておくと安心です。ちなみに、棚板の壁側に溝を付けておくと、絵皿を飾るのに安定するので便利です。
③コンロの近くへの設置は制限がある
コンロの周囲は、火災予防条例によって棚板の設置可能範囲が定められています。ガスかIHかによっても範囲が違いますので、コンロの近くに飾り棚がほしい場合は、建築士に確認しましょう。
④「手入れのしやすさ」も考える

キッチンまわりは、衛生面からできるだけきれいに保ちたい場所ですが、水や油を使うために汚れやすい場所でもあります。飾り棚はオープンでほこりもたまりやすいので、メラミン化粧板やウレタン塗装仕上げの板など、掃除がしやすい表面仕上げを選ぶと手入れがしやすく、きれいを保ちやすくなります。
2 リビングの飾り棚:空間の「フォーカルポイント」にする
①お気に入りのアイテムが映えるシェルフを取り入れる

額絵やアクセントウォールのように、「飾り棚」もリビングのフォーカルポイントになります。大きなコレクションボックスのような壁面オープンシェルフ、棚受金物がなく、すっきりとしたデザインのフローティングシェルフなどは、リビングならではの魅せる飾り棚です。
額絵を組み込んだり、アクセントウォールのカラーとコーディネートすることで、より目を引くフォーカルポイントになります。
②視線の高さや側面を意識する

立っているときと、ソファに腰掛けたときでは、飾り棚の見え方が変化します。メインの棚板がどの高さにあると自然に気持ちよく見えるのかを、イメージしながら位置を検討しましょう。高すぎると置いたものが見えにくく、低すぎると飾り棚としての存在感が薄れてしまいます。
棚板の側面の見え方も要チェック。特に側板が大きい場合、空間に閉塞感が出たり、邪魔に感じたりすることがあります。
3 失敗を防ぐ!「照明」と「コンセント」の事前計画
①「部屋の照明」と「飾り棚の照明」をセットで考える

飾り棚をより素敵に魅せるテクニックに「照明」があります。
一つは、「飾っている物を照らす」方法。スポットライトやアジャスタブルダウンライトで、見せたい物をしっかり照らします。
もう一つは、「飾り棚全体を明るくする」方法。
- 棚下にLEDライトを埋め込んで棚の上全体を明るくする
- 棚板の壁面側に明かりを埋め込み、壁面からの反射光で棚全体を明るくみせる
などの手法を用いると、ショップのディスプレイのように飾り棚を演出できます。ダウンライトの配置や間接照明と合わせて考えると、バランスの良い照明計画になります。


②「ここにコンセントがあれば……」の後悔を、未然に防ぐ
テーブルランプ、スマートスピーカー、アロマディフューザーなど、おしゃれな家電兼インテリアが増えています。こういったものを飾り棚に置きたい場合、近くにコンセントがあると延長コードに頼らずに済みます。
棚板が目線より低い位置の場合は、棚板の下にコンセントを付け、棚板に穴を開けてプラグを通すと、コンセントやアダプターが目立ちません。

目線以上の高さの場合、通常は壁面の目立たない位置にコンセントをつけます。壁面の色に近い色のコンセントプレートを用いると壁となじんで悪目立ちしません。棚板に「家具用コンセント」を取りつける方法もあります。
4 「飾り棚」の設置と寸法の基本
①棚の取り付けには「壁下地」が必須

荷重がかかる棚を取り付けるときは、基本的に「壁下地」が必要です(石こうボードに取り付け可能な既製品の棚を除く)。「家の完成後に、自分で飾り棚をDIYしたい」という場合は、
- だいたいの取り付け位置
- 棚のサイズ感
- 飾りたいものの大きさ・重さ
を建築士に伝えて、工事の際に壁下地を入れておいてもらうようにしましょう。
人気のフローティングシェルフは、専用ブラケットで棚板を受けます。必要な位置に下地がないと取り付けが困難なため、設計時に必ず希望を伝えておきましょう。
②棚の「奥行き」は物の大きさに合わせて

棚の奥行きは「何を置くか」で適切な寸法が決まります。特にキッチンの場合は、実用的な収納を兼ねることが多いので、置きたい物の寸法を測り、それに合った奥行きを確保しましょう。食器や鍋は25〜30㎝、食品ストックのガラス瓶などは15㎝ほどあれば収まります。
③雑貨・アートの「収納場所」を近くにつくる

せっかく飾り棚があるなら、季節や気分で飾る物を変えて、インテリアを楽しみたいもの。そうなると必要なのが「雑貨やアートの収納場所」です。
雛人形や五月人形などの節句飾り、クリスマスオーナメントなどは1年に1度のお出ましですし、飾りたい物は年々増えていきがちです。すっきりと美しいディスプレイを楽しむには、「飾り棚に置く物専用の収納やキャビネット」を設けると、数ある雑貨やアートが迷子にならず、模様替えもスムーズにできます。
このように設計段階での準備が、イメージどおりの飾り棚の生かし方や使いやすさに大きく影響します。
次回の記事では「プロが教える、失敗しない「飾り棚」のディスプレイのコツ」についてご説明します。「なんかセンスがいい感じに飾れない」。その悩みには理由があります。ぜひ併せてご覧くださいね。
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