プロが教える!失敗しない「照明の選び方・使い方」Q&A 8選
Replanが教える家づくりに必要な基本、あれこれ。
目次
- Q1 照明の光の色は、どう使い分けるのが正解?
- 活動の光(5000K / 昼白色)
- くつろぎの光(2700K / 電球色)
- バランスのよい光(3500K / 温白色)
- Q2 ダイニングの食事がおいしそうに見えません。ペンダントライトの正解は?
- 「高さ」と「光の質」にこだわる
- 灯具の形・色・素材で楽しむ
- Q3 対面キッチンにペンダントライトを付けると邪魔になりませんか?
- Q4 夜の室内がのっぺりして見えます。立体感を出すコツは?
- Q5 「寝室の照明」で気をつけるべきことは?
- 安心で便利な「明るさセンサ付きホーム保安灯」
- Q6 在宅ワークで目が疲れます。照明にはどんな工夫が必要ですか?
- Q7 間接照明(コーブ照明・コーニス照明)を取り入れると、工事費が高くなりますか?
- Q8 最近流行りの「スマート照明」ってどんなもの?
「夜、帰ってきて家でゆっくりしようと思っても、なんとなく落ち着かない」。もしかしたらその原因は「照明」にあるかもしれません。住まいの照明は、生活の質を左右する大きな要因の一つです。今回はインテリアコーディネーターの本間純子さんに、今の家づくりの中で照明についてよくある8つの質問にお答えいただきました。その内容をQ&A形式でご紹介します。

Q1 照明の光の色は、どう使い分けるのが正解?
A 生活のシーンに合わせて「活動モード」と「くつろぎモード」で使い分けましょう。
照明の光の色(光色)は
- 昼白色
- 電球色
- 温白色
などの名称で知られています。これらの光の色は「色温度(単位:K/ケルビン)」という数値で表します。太陽の光の色とリンクしているのがポイントです。

活動の光(5000K / 昼白色)
いわゆる「蛍光灯」の色に代表されるような昼間の太陽光に近い白い光です。脳の覚醒を促す効果があるため、キッチン・書斎・ユーティリティなどの作業や学習をする場所に向いています。
くつろぎの光(2700K / 電球色)
夕日のような温かみのある光です。副交感神経を優位にして心身をリラックスさせるため、主にくつろぎのための空間であるリビングや、心地よい眠りを促す寝室に最適です。
バランスのよい光(3500K / 温白色)
最近のトレンドで、最も使い勝手がいい光色です。白すぎず、赤すぎることもない自然光のような温度感で、昼白色の学習スタンド、電球色のテーブルスタンドなどと組み合わせても違和感がありません。玄関からLDK全体を、この光色で統一する家も増えています。
▼こちらの記事で「照明の色」について詳しく解説しています
「あかりの色」から考える、リビングの照明計画
Q2 ダイニングの食事がおいしそうに見えません。ペンダントライトの正解は?
A テーブル面から「60〜80cm」の高さに吊るし、演色性(Ra)の高い電球で「おいしいシーン」をつくりましょう。 ペンダントライトは吊るす位置が高いと光が広がりすぎて、食卓の印象がぼやけてしまいます。

「高さ」と「光の質」にこだわる
ダイニングの明かりは、高さと光の質にこだわることで食卓がぐっと引き立ちます。テーブルから60〜80cmの高さに照明を設置すれば、料理を適切に照らし、家族の表情をふんわりとやわらかく見せてくれます。
あわせて、自然な光の指標である演色性が「Ra90以上」の光源を選ぶのがおすすめです。お肉や野菜の新鮮な色が鮮やかに見え、いつもの料理が一段とおいしそうに感じられます。
灯具の形・色・素材で楽しむ

複数の小さなペンダントライトを並べる「多灯吊り」は、明かりと形で空間にリズム感をもたらします。一方「一灯吊り」は、ペンダントのデザインがダイニングのイメージをつくります。照明のデザインもおいしい雰囲気づくりの大切な要素。形・色・素材にこだわって選びましょう。
Q3 対面キッチンにペンダントライトを付けると邪魔になりませんか?
A 「配置」と「高さ」が適切なら、邪魔にはなりません。

対面キッチンの上部にペンダントライトを取り付ける場合は、床から150〜160㎝の高さにするのが一般的です。LDKが見通せる住まいでは、キッチンもインテリアの一部なるので、対面キッチンのペンダントライトが、空間のおしゃれなアクセントになることもあります。
ただし、目立つ場所の割にコードやシェードに汚れがつきやすく、微妙に手が届きにくいこともあって、掃除が後回しになりがち。採用する場合は、掃除のしやすい素材や形を選んで、こまめにお掃除することをおすすめします。
Q4 夜の室内がのっぺりして見えます。立体感を出すコツは?
A 「一室多灯(多灯分散)」を取り入れ、「明暗」をつくることで空間の「奥行き」をデザインしましょう。

いつものお部屋をおしゃれに仕上げるコツは、必要な場所に必要な明かりを複数置く「一室多灯」を取り入れることです。
お気に入りのアートや壁を照らす際、入り口から遠い壁を選ぶと、視線が奥に引き込まれて部屋が広く感じられます。さらに、観葉植物の裏に明かりを配置すれば、壁や天井に美しい影が投影されて幻想的な空間に。床に近い低い位置にフロアランプを置くと、視線が下がることでホテルのような落ち着きのある上品な雰囲気を演出できます。
Q5 「寝室の照明」で気をつけるべきことは?
A 眠りにつくまでの時間を、心地よい明かりの中で過ごしましょう。 寝室の照明計画は、「①控えめな明るさ」「②まぶしくない」「③低い色温度」「④低めの位置」の4つがポイントです。

①控えめな明るさ
強く明るい光の中にいると、睡眠を促すホルモンが抑制されて、身体がなかなか「おやすみモード」になりません。寝る前の時間は控えめな明るさの中で過ごして、モードチェンジをしましょう。
②まぶしくない
「まぶしくない」ことも重要です。横になったときに光源が直接目に入りやすいダウンライトは特に避けたいところです。壁を照らして得られる反射光はやわらかくて穏やかなので、「間接照明」は寝室向きな手法です。
③低い色温度
光の色は、電球色(2700K)がおすすめです。調色できる照明器具や電球を使うと、シーンに応じて使い分けできて便利。リラックス効果のある光の色が穏やかな雰囲気の空間を演出し、睡眠を促します。
④低めの位置
ヘッドボード程度の高さの間接照明や、サイドテーブルの明かりは読書灯としても使いやすく寝室に向いています。フロアライトを置く場合は、コードや本体が歩行を妨げないよう設置位置に注意しましょう。少し明るいほうが安心して眠れる、という方には、保安灯としても役立つ「フットライト」を設置するという選択肢もあります。

安心で便利な「明るさセンサ付きホーム保安灯」
私が昔から提案しているのは、普段はフットライトとして、停電時は保安灯、非常時は懐中電灯のように使える「明るさセンサ付きホーム保安灯」です。本体は6×7㎝ほどで、コンセントに差し込んで使います。専用コンセントを使うと出代が少なくすっきり収まります。
フットライト本体 (写真提供 パナソニックエレクトリックワークス(株)) 専用コンセントに差し込んだ状態。一般的なコンセントでも使える(写真提供 パナソニックエレクトリックワークス(株)) 明るさセンサー付きなので、明るい時間帯は点灯しませんが、暗くなると自動点灯します。夜間はこの明るさで十分歩けますので、トイレまでの通路にも設置すれば、照明が明るすぎて目が覚める心配もありません。
ナイトライトとして使える。通常は「電球色」(写真提供 パナソニックエレクトリックワークス(株)) 停電のときは、自動で白い明かりに変わるので、それを頼りに移動できますし、本体を外すと懐中電灯のように持ち歩けます。夜間の災害発生時の避難にも使えますので、数ヵ所に設置しておくと停電時にも安心です。
停電時は視認性が高い白い光に変わる(写真提供 パナソニックエレクトリックワークス(株)) 取り外すと懐中電灯のように持ち運べて、便利で安心(写真提供 パナソニックエレクトリックワークス(株))
Q6 在宅ワークで目が疲れます。照明にはどんな工夫が必要ですか?
A 「手元の明るさ」と「周囲の明るさ」の差を小さくしましょう。タスク&アンビエント方式が集中力を維持する鍵です。

暗い部屋でデスクライトだけを使って仕事をしている方はいませんか?これだと明暗の差で瞳孔が激しく開閉し、眼精疲労の原因につながります。
目を疲れにくくするための照明計画の基本となるのは、「タスク&アンビエント」という考え方です。これは「作業用の光(タスク)」と「部屋全体の光(アンビエント)」を併用するという方法論のこと。部屋全体を少し暗めの温白色で整え、手元だけを昼白色のデスクライトでしっかり照らしましょう。
さらに快適な環境をつくるためには、PCモニターの背面の壁も明るく照らしましょう。画面と背景のコントラストが和らぎ、長時間の作業でも目が疲れにくくなります。また、デスクライトは利き手と逆の前方(右利きなら左前方、左利きなら右前方)に置くのが鉄則。書くときに自分の手の影で手元が暗くなるのを防ぎ、いつでもクリアな視界を保てます。
Q7 間接照明(コーブ照明・コーニス照明)を取り入れると、工事費が高くなりますか?
A 天井や壁を加工する造作工事費はかかりますが、カーテンボックスを兼ねるなどの工夫で、費用を抑えられることもあります。

間接照明によって工事費が高くなるかどうかは一概には言えませんが、照明器具を入れるための造作が必要な場合は、その分費用がかかります。間接照明は「家の構造」に関わる場合があるので、設計の早い段階から計画しておきましょう。
▼こちらの記事で「照明の色」について詳しく解説しています
壁・天井を照らす「間接照明」とは?リビングや寝室、トイレにも
Q8 最近流行りの「スマート照明」ってどんなもの?
A 「スマート照明」は、スマートフォンやスマートスピーカーによる音声、センサーで、遠隔操作や音声操作、自動調光などができる機能を備えた照明器具です。防犯対策にも有効です。

ベッドの中から声だけで消灯したり、外出先から消し忘れを確認したりできるスマート照明は、電球にその機能を搭載した製品も販売されていて、賃貸・持ち家を問わず急速に普及してきています。
時間帯に合わせて、昼は活動的な白い光、夜は落ち着く電球色へと自動で切り替えることもできるので、その機能を利用すれば、意識せずともシーンや時間帯に合わせた快適な生活リズムが整います。
個人的にとても有効だと感じるのは、「スマート照明による防犯対策」です。おすすめは、近年発売された「スマートブラインド」と組み合わせた使い方。家を留守にする際に、時間を設定して自動でブラインドを閉じ、照明を点灯すれば、誰かが家にいるかのように自然と装えます。

住宅のスマート化は、HEMS(Home Energy Management System)をはじめ「玄関の錠」「エアコン」「カーテンレール」「見守りカメラ」など多岐にわたります。導入にあたっては、自身のライフスタイルに必要な機能や使うシーンをイメージして、無理なく使いこなせる範囲で取り入れたいところです。
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