電気代をはじめとする燃料費の高騰や、家での過ごし方の変化などから、今注目の「薪ストーブ」。でも札幌やその周辺都市での利用には、注意や工夫が必要です。苦情などのトラブルを避け、安心で快適な薪ストーブのある暮らしの実例を、知っておきたい基本情報とともに紹介します。


札幌での薪ストーブ設置で注意すべきことは?

苦情の原因になる煙の臭いやすすを出さない

薪ストーブの導入で注意したいのが「煙」や「すす」によるご近所トラブル。冬の風向きで煙がなびく方向にマンションなどの高い建物がない土地を選んだり、隣家との距離を空けるなど、建築会社やストーブ専門店の担当者さんと立地条件や家の配置をしっかり検討することが大切です。

本来、十分に乾燥した薪を正しい方法で焚いていれば、臭い煙や灰が流れ出ることはほとんどありません。薪の乾燥が不十分だと、燃やした時に水分が発生して、湿度が上がらずにすすなどの不純物が発生する大きな原因にも。建築会社やストーブ専門店と相談しながら適切な立地条件や家の配置を検討すること、正しい操作方法を心がけることで、ご近所トラブルの芽を摘みましょう。

煙の流れを考慮して、家の向きや配置を検討。十分に乾燥させた薪をしっかり燃やすことが大事

設計時に薪のストック場所を確保する

薪ストーブ生活は、外から薪を日常的に運び込む必要があるので、少なくとも1シーズン分の薪をストックできる「薪棚」を設ける必要があります。薪ストーブを使う季節は主に冬。寒さが厳しい真冬ほど、中と外を行き来する機会が増えるので、薪棚の設置場所も重要です。

特に、雪の多い地域では、薪を取りに行くたびに雪かきが必要な場所に薪棚があるととても不便。例えば、カーポートなど屋根のある建物の一角など、あらかじめ雪かきをしている日常生活の動線上に配置すると、余計な手間もかかりません。薪棚と薪ストーブのある場所とのスムーズな動線を設計することは、暮らしやすさに直結します。

薪棚の設置場所をどこにするかも、プランニング時に要検討

また、自分たちで薪づくりを行う場合は、「薪割り場」のスペースも必要です。薪割り場と薪棚の位置関係が遠いと負担が大きくなってしまうので、事前にしっかり検討した上でそれぞれ配置計画を立てましょう。

前面道路が薪の搬入に十分な道幅か確認する

薪の調達方法は家ごとにさまざまです。軽トラックや自家用車で運び込む家もあれば、業者に依頼して4tトラックで配達してもらう家もあると思いますが、いずれの場合も薪の搬入路の確保が大切です。

理想はトラックでも通行しやすい幅の広い道路に面した立地であること。薪棚の近くまでトラックを乗り入れられるレイアウトだと、さらに良し。大量の薪を積み下ろしたり、運ぶのはかなりの労力が必要なので、薪の搬入路はかなり重要なポイントです。

車から薪棚までの距離はなるべく短く設定できるよう、家の配置をプランニング時にしっかり考えると、後々の苦労も軽減します。

プランニングでは、薪を積んだトラックが薪棚の近くまで入れるかどうかまで考えておきたい

まずは、札幌市の薪ストーブ専門店で実物を見て話を聞こう!

薪ストーブのプロフェッショナルに直接話を聞くことが、理想のストーブとの出会いの近道に。札幌市内でも信頼の厚い薪ストーブ専門店を紹介します。

【北海道リンクアップ】
人の心と炎をつなぐ。北海道の薪ストーブ店

設立から20年以上になる薪ストーブ店で、筋金入りの薪ストーブ愛好家がスタッフとして顔をそろえます。スタッフ自らが試行錯誤しながら使い勝手や使い心地を体感し、経験に基づいた知識をユーザーに伝えることを大切にしていて、ライフスタイルに寄り添ったアドバイスは薪ストーブユーザーから厚い信頼を寄せられています。

地下鉄東西線の円山公園駅のほど近く、朝日ビルの1階にある北海道リンクアップの事務所兼ショールーム
地下鉄東西線の円山公園駅のほど近く、朝日ビルの1階にある北海道リンクアップの事務所兼ショールーム

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【サカシタペチカ】
北海道初!バーモントキャスティングスを扱った老舗薪ストーブ店

サカシタペチカは、40年近く薪ストーブや暖炉の販売・施工に携わる老舗。取り扱う薪ストーブの種類は多種多様で、北海道で唯一バーモントキャスティングスを取り扱っている店舗でもあります。常時30台以上展示していて、デザインや使用目的など、ユーザーの望む導入条件に合わせた薪ストーブ選びを行います。

サカシタペチカ店舗外観
南郷通沿いにあるサカシタペチカ

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【神楽ストーブ】
現代の住まいにフィットした機種を提案する、札幌の薪ストーブ専門店

鋳物製のIRON DOGシリーズや、鋼板ストーブHWAMシリーズなど、高性能な薪ストーブを取り扱っています。住宅のリフォームや家具のリペアをメインとする会社が運営しているので、施工も丁寧で確実。西洋漆喰の塗壁で仕上げたショールームは洗練された雰囲気で、現代のモダンな住宅にも薪ストーブがマッチすることがイメージできます。

木製扉が目を引く玄関まわり。外に置かれた薪棚がお店の目印に

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施工実績が豊富な札幌圏の工務店が安心。
6軒の薪ストーブのある暮らし

憧れていた薪ストーブライフ、実際の住み心地はどうなのでしょう?住まう家族によって、薪ストーブの楽しみ方はさまざま。実績が豊富な工務店とともに実現した薪ストーブライフを満喫する6事例をご紹介ます。

【北清建設】
8年を経てさらに心地いい。薪ストーブのある住まい

薪ストーブの家づくりの実績が多い工務店として信頼の厚い北清建設が手がけた恵庭市のWさん宅。薪ストーブライフは8年目を迎え、前庭に色鮮やかなボーダーガーデン、野菜や果物がたわわに実る広い畑、薪が美しく積み上がる薪小屋など、毎年少しずつ環境を整えて、自分たちらしい家をつくり上げています。

Wさん宅にとって薪ストーブは家族や人をつなぐコミュニケーションツール。夏は薪仕事、秋から冬は家族や友人と炎を囲む充実の日々を送っています。

玄関土間に設けた掃き出し窓は、外の薪小屋から薪を運ぶのに便利。外は屋根付きのテラスになっているので雨や雪でも楽ちん

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【丸三ホクシン建設】
薪ストーブは、家族の大切な日常的アクティビティ

「焚き火をするためにキャンプに行く」ほどに、火のある暮らしに憧れていたIさんご一家。20社以上巡った末に、薪ストーブのある家づくりを得意とする丸三ホクシン建設に新築を依頼しました。

江別市に立つ庭を囲むL字型の住まいは、薪を持ち運びやすいよう玄関と庭、薪ストーブをつなぐ土間を設けています。キャンプ仲間の家で薪割りをするなど、薪の調達も家族や仲間と楽しむアクティビティのひとつ。LDKから常に庭と薪ストーブを眺めながら、炎を囲む暮らしを楽しんでいます。

庭と薪ストーブを眺める暮らしがIさんご一家の理想。薪棚に薪を運び入れたり、テントを広げてキャンプの支度をしたり。アウトドア好きのご家族にとって、庭は格好の遊び場にもなっている

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【小松建設】
身体的にも視覚的にもあたたまる炎のゆらめき

室蘭市内の300坪の原野に立つKさん宅。地元産ホタテの殻を使った漆喰壁や道産カラマツのフローリングなど、小松建設による地産地消の自然素材に囲まれた住まいで、愛犬とともに薪ストーブライフを満喫しています。

共働きのため、薪ストーブの使用は夜のみで、薪は自宅を囲む豊かな森から調達。火を付けると愛犬もそばにやってきて、家族団らんの時間がスタート。薪ストーブには焚き付けの手間を超える魅力があると、日々実感しているKさんご夫妻です。

薪ストーブが家の中心に。キッチンと洗面所は隣合い、朝は土鍋でご飯を炊きながら洗濯もできる動線の良さも確保した

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【ノースランドログホームズ】
家族や仲間と、ログハウスで楽しむ薪火の時間

ニセコのコテージをイメージしたHさんご一家の住まいは、余市町の住宅街の一角に立つ大きな三角屋根の木の家。家づくりのパートナーは30年以上にわたってログハウスを手がけるノースランドログホームズで、薪ストーブの施工実績も豊富です。

2階の天井まで角ログで仕上げたリビングは、上部が大きな吹き抜けになっていて、家のほぼ中央に薪ストーブが設置されています。煮込み料理やピザなど、薪ストーブは冬の食卓でも大活躍。近所に住む友人家族も集まって、薪火を囲む豊かな時間を過ごしています。

和室とつながる開放的なリビングに据えた薪ストーブは、家の中心にあって家族の暮らしを彩る

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【SUDOホーム】
キャンプの楽しさを家で味わう日常の贅沢

札幌市内の緑豊かな川辺に隣接する土地に立つMさんご一家の住まい。自然素材を生かした空間とデザイン性、薪ストーブのある家を多数建築していることが決め手になって依頼したというSUDOホームに依頼して実現した理想の新居です。

ナラの無垢床や珪藻土入りの塗り壁、タイルなど素材感際立つ空間の中心にあるのは、薪ストーブを設けた土間で、土間の縁に座って庭と薪火を眺める時間は格別。根っからのアウトドア好きだったというMさんにとって、目指した以上にキャンプ気分が味わえるマイホームになりました。

ストーブ前の土間縁は、Mさんお気に入りのくつろぎスペース。「薪火は芯から体が温まって、気持ちが良いです」

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【アトリエキバコ】
都会の秘密基地のような「焚き火小屋」も。家づくりから広がる薪火の輪

北海道の豊かな自然が育んだ本物の素材と手仕事を生かす家づくりを行うアトリエキバコ。江別市にある同社のアトリエには、筋金入りのアウトドアマンである代表・中川さんの意向で2階リビングの一角に薪ストーブを設置しています。

火に親しむ暮らしの提案は、家づくりだけにとどまらず、その一例が札幌の街中にある「焚き火小屋」です。Sさん宅の庭に建てた焚き火小屋は、都会にひっそり佇む秘密基地のよう。Sさんは炎の揺らぎを眺めながらスコッチと葉巻を楽しみながら、日々の疲れを癒やしています。

プライベートな東屋のような焚き火小屋は、家族団らんの場としても活躍。十分な広さで、個室のようにも使える。奥さんと子どもがランチを楽しむこともあり、庭を活用する場面が増えたそう

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薪ストーブは、札幌の長い冬の暮らしを楽しく豊かに盛り上げてくれる道民にはなじみ深い暮らしの道具です。電気代やガス代が大幅に値上がりする中で、今改めて、暖房として住まいに取り入れることを、薪ストーブ専門店や札幌圏の工務店に相談して検討してみてはいかがでしょうか。

(文/Replan編集部)